プロローグ2 ページ2
一方、ここは空の上。
先程の少女はもらったプレゼントの箱を開けて、小さく微笑んだ。
「…デザインはフェリとロヴィ、打ったのはルートとギル、フランにアーサーにイヴァンにエリザに…」
次々とこぼれ出る名前は大切な友人達の物。
「…そして、最後にみんなで魔法をかけました、か…」
呟いて、少女の目からぽつんと暖かい液体がこぼれた。
「…本当にありがとう、みんな…」
傷ついた心は皆んなが癒してくれた。
何かを綺麗と思うことも、美味しいと思うことも、楽しいと思うことも、それから、誰かを信じることも。
全部、全部皆んなが思い出させてくれた。
だから
「もう、戻らなきゃ」
楽しいかった、本当に楽しかった夢みたいな世界に別れを告げて。
また、あの場所で。私の場所で。
頑張るよ。頑張ってみるよ。
箱の中に入った銀色のシンプルな髪飾り。
端にひっそりつけられた小さなアメジストは少女好みで、あぁ、さすがファッションの国、と少女は笑った。
皆んなからの思いがこもった髪飾りをつけて、少女は目を開く。
「…頑張るよ」
その数十時間後。
少女は再び、その地へ降り立つことになる。
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作者名:かにかま | 作成日時:2017年7月2日 7時