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紬達は船に乗り東京へ帰っていた。
紬は島が少しずつ遠くなっていくのを風に煽られる髪を片手で軽く抑えながらなんとなく見つめていた。
そんな紬の元へやって来た鬼太郎は体中に絆創膏や包帯がされている痛々しい傷を見て切なげな顔を浮かべ話しかけた。
「色々すまなかった…紬。猫娘やまなたちから聞いた、約束を守ろうと必死になっていたって…」
「…いえ、私はただアナタとの約束を守りたかっただけですから。それに…」
「それに？」
「…今回の一件で己の無力さを痛感しました。あんなにも『妖人』の力が憎くて消えてほしいとさえ思っていたのに、鬼太郎が牛鬼になった時私には止めることもそれを払うことすら出来なかった…」
「そんな時にね…自分にも紫の様に力があればと、彼女を恨めしくなってしまいました。紫は全てを持ち、正当なる鈴鹿御前様の力を受け継ぐ後継者…けれど私は違う、全てが偽りで出来た偽物です……」
紫から力に飲み込まれるな、そう言われた時…
紬の中で確かに蠢く闇があった
名無しの力にによって自分たちはふたつに分断され、『妖人』の力も紬と紫の身体に分裂してしまった
もしそのままにしていれば紫は兎も角紬が暴走し力に飲み込まれるのは時間の問題だ
それをいち早く察した紫は紬が気を失っている間に彼女に断りなく自分の方へ『妖人』の力を移し替えた。
もしもそれをしていなければ…
紫の様に力をコントロール出来れば…
鬼太郎を助ける事が出来たかもしれない。
そう考えれば考えるほど、紫を憎む気持ちや羨む気持ちで頭がおかしくなりそうだった
自分の手を見ながらその時の感情を思い出していれば…
鬼太郎にその手を掴まれる。
「紬、それは違う。確かにあいつが本物なのは変わらないし事実だ、でも…」
「僕を助けてくれたのは君だろ…？」
「…っ…」
「誰でもない、僕が一緒に居たいと思ったのも笑い合いたいと思ったのも紫じゃない…百鬼紬、君なんだ。」
「鬼太郎…っ」
その手はとても暖かくて、心が浄化されていくような温もり…
鬼太郎が牛鬼を倒しに行く時にちゃんちゃんこから手を離させるときと同じ…
優しい温もり…＿＿
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騎姫(プロフ) - サヤノさん» 最近仕事が忙しくてなかなか更新出来ずすみません(；・∀・)もう少々お待ちをー！ (2018年11月14日 20時) (
レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 妖怪アパートの回と石妖の回をお待ちしております！ 暖かいスタミナ料理を食べて体を暖めてから頑張って書いて下さい。 (2018年11月13日 7時) (レス) id: dd5aa67050 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます！さぁ、それはどうでしょう！（笑）読んでからのお楽しみー！ (2018年11月11日 16時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - こんにちは、騎姫さん、 毎日読んでた鬼太郎と鈴鹿御前の物語を読んでます・・それともし、西洋妖怪の戦いが近づき始めた時は魔女姉妹のアデルとアニエスの場合は亡くなられた母君から守る仲である先代の鈴鹿御前の可能性を信じます。 (2018年11月11日 11時) (レス) id: dd5aa67050 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» 了解しました。話はこちらで頑張って考えます。頑張ります！ (2018年11月8日 17時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：騎姫 | 作成日時：2018年10月26日 0時
