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ずぶ濡れになるのなんてお構いなし。
全身を伝う雫だけでは足りず、波音は水しぶきを浴びるように飛び跳ねる。
両手を広げて何度も回り、無邪気な子供のようにはしゃぐ。
「ふふふッ!アハハハッ!!」
今まで落ち込んでいたのがウソのように気持ちは晴れ晴れとしていた。
「ハハハッ!!」
だからこそ、その光景を彼に見られているとは思いもしなかった。
「………!?(ぇ、あの子…何して……)」
最初見た時は頭がおかしいんじゃないかと思った。
だって普通、大学生にもなってこんな嵐の中楽しそうに踊ってるなんて…
でも、
(、、、楽しそう…だな。)
その光景はとても綺麗に見えた。
ただ無邪気に遊んでいるだけなのに、踊り子のように舞う彼女が彼には天使…いや、女神に見えた。
(綺麗……。)
「…えっ?…………っ!?」
ようやくその気配に気付いた波音は固まってしまう。
まさかこんな所を見られていたなんて…恥ずかしすぎる。
というか、絶対不審に思われた
「こ、こんなとこで何してるの…?!(いや、私がいえたことじゃないし!)えぇっと、……」
「くすっ…」
「は?」
(こいつまた笑いやがった!)
「風邪、引くよ?ほら早く中へ行こう。」
「え、っ…ちょぉッ…」
腕を引かれ建物の中へと連れていかれる。
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サヤノ - あのぉ、言いにくいのですが、波音さんに言わなければならない事があります、鈴鹿御前さんが石妖という女性妖怪と刃を交えました。 (2019年2月4日 9時) (レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます!この恋が叶うのか…それともほかの人魚立ちと同じように悲哀の道に進むのかでお楽しみに! (2018年7月20日 14時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 波音さんの物語はまさに人魚姫ポジションでしたよ! (2018年7月20日 9時) (レス) id: 8d2a1aa09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:騎姫 | 作成日時:2018年7月12日 17時