・ ページ5
後ろを振り向けば、茶髪の俗に言うイケメンがこちらを見ながらクスクス笑っていた。
(何なのよこの人間…失礼じゃない？)
「まぁここ広いし、あーもしかして1年生？」
「……だったら何か…」
相手の質問に冷たく言葉を放つ。
「え、怒ってる？ごめんごめん、あんまりにも後ろ姿が可愛くて(笑)」
まるで少女漫画のような口説き文句を呟く彼に白い眼差しを向けるもその彼にはどうやら通じていないらしい…
(キザっ…うざい…無視無視)
人間嫌いである波音にとってその行動は鬱陶しいものでしかなく、無視するようにスルーして適当に歩みを始めれば…
後ろを着いて来た彼に軽く腕を掴まれる。
「ちょ、待ってよ。案内するからさー。どこ行きたいの？あ、俺は神木優人！
優しい人と書いて、ゆうと…
キミは？」
「…(誰もそんなこと聞いてないし…)
ﾊｧｰ…案内は結構よ。というか、離してくれません？」
「え〜なら名前教えてよー、ね？」
「…………だから、嫌いなのよ…」
(人間なんてやっぱ自己中なやつばっか……ｯ…)
波音の妹は自己中心的な考えを持った人間達に火炙りにされ葬られた…
その光景は今でも鮮明に、昨日のことのように覚えている。
いや、頭から離れない……
「離して…！あたし人間嫌いなの。だから近寄ってこないで、…」
「!?(え…人間？)」
感情が溢れて抑えようとした時にはもう既に遅し…
言葉が出てしまっていた。
(し、しまった…つい、勢いで…)
「………さよなら。」
バレる前にその場を立ち去りたくて無理矢理腕を離させ、今度こそ後ろを向き歩いていく。
これが彼と私の出逢い…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サヤノ - あのぉ、言いにくいのですが、波音さんに言わなければならない事があります、鈴鹿御前さんが石妖という女性妖怪と刃を交えました。 (2019年2月4日 9時) (
レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます！この恋が叶うのか…それともほかの人魚立ちと同じように悲哀の道に進むのかでお楽しみに！ (2018年7月20日 14時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 波音さんの物語はまさに人魚姫ポジションでしたよ！ (2018年7月20日 9時) (レス) id: 8d2a1aa09d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：騎姫 | 作成日時：2018年7月12日 17時
