絆と恋を貴方と... ページ39
「........」
「波音?はーのーん!」
「!」
紬に呼ばれ我に返る、波音
あの事件以降、ずっと上の空で何をするのにも身が入ってないように見られどことなく元気がないように思えた紬が気分転換にと祭りへ誘った
普段の波音なら人間で溢れかえっている場所を嫌がっていた、
だが何故か今回は紬の誘いを二つ返事で承諾していた
きっと心のどこかで人混みを歩けば偶然にでも優人に会えるかもしれないと無意識に思っているのかもしれない...
そんなことを知らない紬は波音の顔色を伺い心配そうに問いかける
「やっぱり、いや....でしたか?」
「ぇ、え?そんなことないわよ、ただ...人間の祭りって何十年ぶりだろうなって、....思っただーっけ。」
紬に無駄な心配はかけたくない、彼女は彼女の問題があるのにこれ以上重荷になることは避けたい
そう考え、相談しかけた言葉を飲み込みわざとはぐらかす
「....波音、........」
「ん?」
「........、もうそろそろしたらここの名物の花火が始まるの。まなちゃんから穴場を聞いたから移動しませんか?」
「ぁ、あぁ....そうね。行きましょうか
」
浴衣を靡かせカランコロンと下駄を鳴らし二人は歩いていく
「へぇー、本当に人少ない...」
「えぇ、でしょ?あとまなちゃんから聞いた話なのだけれど、ここの花火大会は特殊で3年くらい前からやっているらしくて他の花火達に混じって花火で文字を書いて告白するものがあるんですって、ふふふ〜イマドキで素敵ですね!」
「はぁ?何それ....意味わかんない。」
(ホント、人間てそういうの好きよね〜....)
「あ、始まりますよ!」
花火が始まり、後半に差しかからうとした時だった
バーッん!っと文字が書かれた花火が打ち上げられる
「!」
「あら...珍しい告白の仕方ですね〜!波音?」
「....っ」
その言葉を見た瞬間、ずっと心の中で諦めていた想いが込み上げ一筋の涙を流していた
「ちょっ....波音!?」
そしていつの間にか足が動き無我夢中で走った
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サヤノ - あのぉ、言いにくいのですが、波音さんに言わなければならない事があります、鈴鹿御前さんが石妖という女性妖怪と刃を交えました。 (2019年2月4日 9時) (レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます!この恋が叶うのか…それともほかの人魚立ちと同じように悲哀の道に進むのかでお楽しみに! (2018年7月20日 14時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 波音さんの物語はまさに人魚姫ポジションでしたよ! (2018年7月20日 9時) (レス) id: 8d2a1aa09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:騎姫 | 作成日時:2018年7月12日 17時