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はるか昔、波音はまだ赤子だった妹の赤子に母親の形見でもある人魚の涙とそばに居ることの出来ない申し訳なさから自分の人魚の涙を巾着に入れ持たせたことがあった。
「........」
(なんでこいつが....これを持って、まさかっ....)
まさかそれが今の今まで引き継がれていた?
(でもそんなことが....ありえるの........っ....?)
「音波ちゃん?どうか....っ!」
困惑した表情を浮かべる波音を見て、声をかけようと彼女の肩に手を伸ばした時だった。
脚に激痛が走る....
「傷、痛む....わよね、」
「だ、ぃじょ「なわけないでしょ」うっ....」
「見せなさい....」
持っていたハンカチを取り出し、血を軽く拭き取る。
あたりを見渡せば近くに瓦礫の中から板の切れ端を見つけ、それを手に取る。
「じっとしてて、」
「応急処置よ。これなら少しは動けるし、さっきみたいに痛くないと思ぅ....ますよ............」
「ほ、ほんとだ....」
(念のためにって紬から薬草を煎じた塗り薬を貰っておいて正解だったわ....)
(そんじょそこらの薬なんかより効き目も早いし....)
(さてと、考えるのはあとね....)
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サヤノ - あのぉ、言いにくいのですが、波音さんに言わなければならない事があります、鈴鹿御前さんが石妖という女性妖怪と刃を交えました。 (2019年2月4日 9時) (レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます!この恋が叶うのか…それともほかの人魚立ちと同じように悲哀の道に進むのかでお楽しみに! (2018年7月20日 14時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 波音さんの物語はまさに人魚姫ポジションでしたよ! (2018年7月20日 9時) (レス) id: 8d2a1aa09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:騎姫 | 作成日時:2018年7月12日 17時