・ ページ30
「ねえ話変わるんだけど、」
「ん、何かな？」
あたりを見回していた波音はある事を思い出す。
少し離れたところで落ちる際に脚を痛め、それを庇うように座っていた優人の隣へ行き腰を下ろす。
「さっきたまに夜ここへ来るって言ってたわよね？」
「え、うん....いったけど、」
「その時にあれに出会ったりしなかったわけ？」
「あれ....って、さっき襲ってきた妖怪の事？」
「えぇ、そうよ。」
「今日初めて見たよ、まさかあんなのがこの学校に居たなんて........」
「そう。けどあんたも運がいいわね....
普通なら無事じゃ済まないですよ？」
(まぁさっき現れたのは多分、自分のテリトリーであたしが力を使おうとしたから警戒してなんだろうけど....)
だとしても何も無いのは不自然だ
今回の妖怪は陰摩羅鬼の犯行で間違いない
そう出なかったにしても悪しき妖怪が住処にしている場所へ足を踏みしれた人間に対して何もしないのはおかしい....
そう考えていれば、優人がごそごそとポケットから小さな巾着を取り出した。
「あぁ、それ....もしかしたらこれのおかげかも！」
巾着の中身を掌に出し波音へと見せる。
「？....(それはっ....！)」
「こんなちっちゃいけど、一応俺の家に代々伝わる家宝らしくて....」
「....っ！(人魚の涙....?!!)」
優人の掌に乗っているものそれは....
二つの真珠だった。
それはただの真珠ではなく、人魚が生まれた時に手に握りしめ持って生まれる人魚の命の欠片とも入れるものだった。
人魚の力の源ともされるそれは悪しきものから身を守る事も可能とされ、昔から大切なものへと渡し未来永劫その者を守り続けてもらう
といった風習が昔からある。
皆はそれを『人魚の涙』と呼んでいる。
「霊的なものに狙われそうになるといつもこれが守ってくれるんだ。まぁそれ限定でだけど無くさないように大事にこうして巾着に入れて持ち歩いてるんだよ。」
波音は驚かずにはいられなかった。
だって、その真珠には見覚えがあったから....
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サヤノ - あのぉ、言いにくいのですが、波音さんに言わなければならない事があります、鈴鹿御前さんが石妖という女性妖怪と刃を交えました。 (2019年2月4日 9時) (
レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます！この恋が叶うのか…それともほかの人魚立ちと同じように悲哀の道に進むのかでお楽しみに！ (2018年7月20日 14時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 波音さんの物語はまさに人魚姫ポジションでしたよ！ (2018年7月20日 9時) (レス) id: 8d2a1aa09d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：騎姫 | 作成日時：2018年7月12日 17時
