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「さぁ、どうでしょう。こればかりは私にもわかりません。
…どんなに永い付き合いだとしても、」
「はは、そりゃそーよね〜....てか、正直あたしも分かんないわ。
....けどあんたにばっか頼ってらんないじゃない?」
「波音…」
これは本音…
嘘偽りもない
波音は珍しく紬へ弱さを見せていた。
それを分かっている紬は黙って波音の話を聞いた。
「あたしはさ、ぐぅ太郎みたいにどっちかを選ぶことは出来ないのよ。」
今自分がここに居るのはもう1人の『つむぎ』のおかげだから…
私は邪な人間達に最愛の妹(かぞく)を奪われた
怒りが募り村の人間達を村事海に沈め…たくさんの命を奪った
そして罰を受けるため、閻魔大王に地獄逝きを命じられた
けれど…
その時の私はそんなこともうどうでもよかった
己の命よりも大切だった妹…
その妹を失った今、悲しみに押し潰されもう生きている心地なんかなかった
生きているのに死んでいる、そんな気分さえしていた
__そうか、ことは理解した…それで?
何を言っているのかわからなかった
こいつは一体何を思って質問しているのだろう
ただただ、私はそいつを見つめた
久々に上を向いた気がする…
__物わかりが悪い奴だな、もう終いか…と、聞いておるのだ。
__お前の過去などに興味もなければ同情する気もない。だが....
これだけは言える。
__喧嘩両成敗、
__は?何それ、喧嘩?あれが……っ…!喧嘩だっていいたいわけ?!!!
__あぁ、そうだ。
こんなにもハッキリと言われたのは初めてだった
地獄で自分の今の状況を説明されたことはあったが、こんな直球に言われはしなかった
__だがお前は喧嘩の仕方がなっとらん。
__は?
__妾が直々に教えてやる、だから共に来い。
人間を 殺 し汚れた私に手を差し伸べ新たな歩む道をくれた。
嬉しかった....
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サヤノ - あのぉ、言いにくいのですが、波音さんに言わなければならない事があります、鈴鹿御前さんが石妖という女性妖怪と刃を交えました。 (2019年2月4日 9時) (レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます!この恋が叶うのか…それともほかの人魚立ちと同じように悲哀の道に進むのかでお楽しみに! (2018年7月20日 14時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 波音さんの物語はまさに人魚姫ポジションでしたよ! (2018年7月20日 9時) (レス) id: 8d2a1aa09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:騎姫 | 作成日時:2018年7月12日 17時