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腕と頭にまいてある包帯を軽く触れる
どうやらこの手当ては彼が行ったものらしい
(名前や住所、その他諸々嘘ついてるのに病院なんか行けないから助かった…)
波音はそっと胸を撫で下ろした
まだ何も解決していないのにここでバレるわけにはいかない…
「でも良かった、何ともないみたいで…」
「心配しすぎですよ…」
心からほっとする彼を見て波音は複雑な思いを抱える。
人間はみんな残忍で欲深い、己が1番可愛くて平気で他人を蹴落とす…
そう何百年と思い続けていたのに、こんな数日しか一緒にいない彼の言葉が……
心に染みるなんて…………
「何言ってんの!キミは女の子なんだから…もう少し自分の身体を大事にしてあげなくちゃダメだぞ?」
「……」
怒られているはずなのに、頭を撫でる手から伝わる優しさ…
優人をチラリと見る。
まるで兄が妹を心配し慰め窘める様な……表情を浮かべていた。
(調子狂うな…)
普段なら女=弱いと言われている気がしてその言葉を嫌いで腹立ってたつはずなのに……
この目の前にいる男に大しては違う気持ちが芽生えそうになる。
だってこれは遥か昔…
波音自身が妹である淡海(おうみ)に接する時の眼差しによく似ていた
そう思うと、胸が苦しくなるのは何故だろう………
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サヤノ - あのぉ、言いにくいのですが、波音さんに言わなければならない事があります、鈴鹿御前さんが石妖という女性妖怪と刃を交えました。 (2019年2月4日 9時) (レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
騎姫(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます!この恋が叶うのか…それともほかの人魚立ちと同じように悲哀の道に進むのかでお楽しみに! (2018年7月20日 14時) (レス) id: ff6ff3fb72 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 波音さんの物語はまさに人魚姫ポジションでしたよ! (2018年7月20日 9時) (レス) id: 8d2a1aa09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:騎姫 | 作成日時:2018年7月12日 17時