3話 ページ41
Aが下駄箱に行くとそこには先客がいた
「おっ早いね不二くん」
「あの、先輩…」
言いかけた瞬間、玄関先に強い風が吹いた
"…カケッコ"
「了解、走っておいで。あんまり荒れちゃダメだよ」
その瞬間ガタガタと窓枠が外れるくらいの音がなり
ビュービューと風が強くなった
"ワカッテル"
「ならいいよ、どうぞ」
そうAが言うとビュォォと風がひと吹きした瞬間ピタッと雨が止んだ
外を見ると先程の雨は嘘のように太陽が照っている
まるでAの言葉で風が雨雲を飛ばしたようだった
その光景を目の当たりにした不二はなにが起こったか分からないといった表情をして固まっている
そんな彼を見てAは微笑んだ
「びっくりした?」
「え…あ、あの先輩って…」
「君にも聞こえるんでしょ?この子達の声」
そう言われビクリと肩を揺らし目を開く不二の頭を撫でた
「君は声が聞こえるだけなんだね、それも無意識に。辛かったでしょ、頑張ったね」
そう言われ不二はポロポロと泣き出してしまった
彼は今まで自分の悩みを真剣に聞いてくれる人などいなかった。まず訳も分からない声がする、と言っても自分だけが聞こえているだけで、そんなことを信じてくれる人はいなかった
諦めていたそんなとき、彼女は現れた
彼女は自分を苦しめているものを理解してくれる。分かってくれる。不二が求めていた理解者だった
「私が何とかしてあげるから。大丈夫。ほら泣き止んで」
そう言いAは自分の親指で涙を拭うが、不二の涙はそれでも止まらなかった
そんな姿を見て苦笑するとそのまま不二を抱き上げる
「せ、先輩!?」
「こんなんじゃ不二くん部活できないでしょ。落ち着くためにも1回離脱しよっか。ついでにあの子たちについても教えてあげる」
ぽんぽんと背中をあやすように叩かれ、何も言えなくなった不二はAの首元に顔を埋めた
凄く、安心する
そんなことを思っていると次第に瞼が重くなってきた
「ありゃ、寝ちゃったか。まあ今までこの子達の声が邪魔してたのもあったのかな……さてさて、早速お仕事ですか」
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まい(プロフ) - 天葉さん» コメントありがとうございます!皆の頼れるお姉さんを意識して書いていたので伝わっていたみたいで良かったです!イレギュラーのリョーマくん…いいですね。実はまだそこまで考えていなくて…参考になります!亀更新ですがこれからも見てくださると嬉しいです! (2021年4月8日 21時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
天葉 - 夢主のTHEお姉さんがいいですね!きっと青学3年達の初恋は夢主ですね(憧れ含む)イレギュラーだとリョーマくんが日本に居なさそうです。原作前に夢主がアメリカ旅行?に行って青学に勧誘する話とかありそうです!面白くて大好きなので更新楽しみにしてます! (2021年4月7日 19時) (レス) id: 623fd23513 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - RYUさん» コメントありがとうございます。励みになります! (2021年3月6日 16時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
RYU(プロフ) - 続き楽しみにしています!!無理せず頑張ってください! (2021年3月6日 0時) (レス) id: 2642c2c975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まい | 作成日時:2021年2月14日 10時