《テニプリ》私の仕事は監視者です

2話 ページ40

あれから数日が経つ


声がしなくなったのはあの日だけ
それ以降はまた声が不二の頭を支配していた

なぜなら雨もあれから続いているのだ
外での部活はろくに出来ず室内でするしかなかった



部活があれば他のことに意識を向けれたのに

そんなことを不二は考えているとストレッチをしていた菊丸がガバッと顔を上げた



｢もぉ！！｣

｢どうした英二？｣

｢おーいし！だってずぅっと雨だよ！！もういい加減ボール打ちたいよぉ！！｣


そう言い菊丸は自分の背中を押していた大石にもたれるようにする

そんな2人をみて不二も賛同した



｢確かに梅雨入りしてしかも体育館も借りれないからね｣


普段体育館はバスケ部やバレー部が使っているため借りることが出来ないのだ

それもだけどぉ…と菊丸はまだ何か不満なようだ
そんな時データを取っていた乾のメガネがキラリと光る



｢菊丸がそれ以外で不満を抱いているとすれば髪の毛がまとまらないことか｣

｢にゃっ！？な、なんで分かったの！｣

｢外ハネが1cm低いからね、データは嘘をつかないよ｣


わーきゃーと騒いでいるとより一層大きな、しかもはっきりとした声が不二の頭に入る



"ソロソロダ"


また聞こえる、そんなことを思っていると近くにいたAがボソッと言った



｢そろそろか｣

｢へ…？｣

｢みんな、準備してー！｣


キョトンとする1年生を無視して散らばっていた部員を呼ぶ


はい！と返事をする2、3年の部員に対して何が起こっているのか分からない不二達



｢ほらあなた達も外に行く準備しておいで｣


そう言い、Aは部活用具が入ったカゴを持って行ってしまった





先輩は今、あの声が聞こえていたのか…？


気になった不二は急いで支度をして下駄箱に向かっていった

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