《テニプリ》私の仕事は監視者です

2話 ページ20

笑いながら頬をかく大和にため息をついて救急箱を用意するA



｢バレちゃってます。ほら早くこっちに来て｣


今日、大和は手塚との勝負を受け入れた

結果は手塚の圧勝。皆が怪我をしていなければ、と言うが完全復活した大和でも手塚に勝てるかどうか、というラインだった

そんな手塚に大和は全力で応え、試合をした結果腕が少し悪化したのだろう



｢はぁ、大和くんテニスを楽しむことはいいと思うよ。でも自分で自爆とか笑えないんだけど。大体君はさ───｣


ブツブツ大和に小言を言いながらもテキパキとアイシングをする、そんなAを見て微笑んだ大和は声をかけた



｢Aさん｣

｢ん、なに？｣


1度手を止めて大和の方を向く
ベンチに座っている大和に対してAは地面に膝をついているため必然的に見上げる形になる



｢ありがとうございます｣


突然お礼を言われキョトンとしたA



｢…え？あの、私大和くんになんかした？やってることはお説教だけど…あ、もしかして怒られたい欲があるの？もしかしてドM…｣

｢ち、違いますよ！！！｣


焦って立ち上がった大和を見てぷっ、と吹き出した



｢そんな焦らないでよ。あははっ！｣

｢笑わないでくださいー！｣


そう言いながらも大和もつられて笑っていた



｢先輩達楽しそうだね｣

｢あの2人実は付き合ってたりしてー！｣

｢いや、どちらかと言うと仲むずましい夫婦のような…｣



1年生たちがそんな噂をしているなんて2人は知る由もなかった

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