5話 ページ9
跡部side
ボールが相手コートに入りホイッスルが鳴る。瞬く間に歓声があがっていった
最初はいつの間にここに着いたのか、なんでいるのかとお姉さんに聞きたいことばかりだった。だがそんな考えを飛ばすようにスパンっと音が響く
どうやらスマッシュが入った音のようだ
凄い、そんな言葉しか出ない
隣を見ると樺地も試合に釘付けで1分でも1秒でもこの目に焼き付けたい。そんな思いが伝わってきた
両選手とも引けを取らない
手に汗握るってこの事か!
しばらくするとタイブレークに入った
「わぁ、ドッキドキだね」
「ウス」
「僕タイブレーク見るの初めて!」
タイブレークは6-6になった時にしかでないから中々ないんだよね…それが今しかもプロのが見れるなんて。
そうこうしているうちに試合開始の合図が鳴った
点を取って取り返しての繰り返し
ひとつの隙が命取りになるタイブレークでは、いつもの試合とは違って独特な緊張もあった
別に自分が試合をしている訳じゃないのに汗で背中がびっちょりだ
声もあぁ!とかわぁ!と自然に出てくる。まるで吸い込まれるかのようだ
遂に相手のスマッシュが決まって試合が終わった
"───選手の強烈スマッシュ決まったな"
"さすがだ。──はそれが武器だからな。誰にも止められないさ"
……あの選手はスマッシュが得意なのか
確かに他の人よりすごく早くて力強い。あれを止めれる人なんているだろうか
誰にも止められない…武器……?
もしそんなものを持っていたらどれだけいいだろう
「もし、じゃなくてさ、持ってみようよ。持てるように努力してみようよ」
「え…?」
隣を見るとにひひとお姉さんが笑っている。それだけ自分の中で何かがストンと音立てた
憧れを現実にするのは信じるチカラ…お姉さんが前に言ってたこと
もう、憧れるだけの自分は嫌だ。信じればきっと何かが変わる気がしてきた、根拠はないけど…
「跡部さんなら、変われます。大丈夫です」
「ありがとな樺地」
ウスと返事をする
「さて、足りないものは分かったみたいだし課外授業はおしまいだね」
そう言うと風が強く吹いた。思わず俺たちは目を瞑り次に目を開けると先程のベンチに戻っていた
「お姉さん、俺変わるよ。きっと、ううん絶対。だから俺の事ずっと見てて」
「…期待してる」
そう言いながらお姉さんは俺の頭を撫でて行ってしまった
「よし樺地!今から特訓だ!」
「ウス、何処までもついて行きます」
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時