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ページ25

光もなければ風もない、暗闇が永遠と広がる場所にポツリと白色があった



Aは仁王と別れた後、後片付けを始めた
ガラガラと世界が壊れていくのをじっと見つめる
何の感情も見えない目で見つめた


何時しか地面にあった世界は"なかったこと"になり、消えていった

クルクルとバトンのようにブラシを回しながら歩くAは何も無い世界では異物に見える



「バケモノ、ね」


仁王兄弟が出会ったものは全身が黒く、角のようなものが生え、体の中央にハートのようなマークがあった

いわゆる普通じゃない、この世界にないものだ


…何故、あの子達が狙われる必要があったのか
考えれば考えるほど謎は深まるばかり

ただ分かるのは、あいつらが歪みの1つだったということ
それがあったから仁王は詐欺師という道を選択しなかったのかもしれない



「とりあえず、1つ目の歪みは解決した。ってことでいいのかな」


"イイノダ"

"コレデーイイノダー"


「うわっ、急に出てこないでよ…」


Aの肩からひょこっと出てきたのは何時ぞやの綿毛たちだった
ビクりと上げた肩に当たってしまいワァーと飛んでいく白い毛玉

やはりホコリにしか見えない…
いや一応これでも補佐的な役割なんだから失礼なんだけど、でも、どう見てもこれはホコリだ



"ホコリ、ダト"


「ありゃ、聞こえてた?」


"コノヤロウ"


「ごめんて」


ポコポコ頭の上で飛び跳ねる綿毛たち
多分殴ってるつもりなんだろうがAからしてみれば可愛いの対象でしかない

えぐぅ…と変な声をあげて両手で顔を覆うと、綿毛たちは"マタキタ"と呆れる

少しして落ち着くと、わざとらしくゴホンと咳を立てAは振り向いた



「えっと…で、なんで今になって来たの?」


聞いてみるが予想は着く。そちらにも仕事があったのだろう
優秀な綿毛たちの手が空けれないほどの仕事が

コンマ0.5秒で考えたことは物の見事にどんぴしゃりだった



"ヤマト、アブナイ"

"ケガ、テニス"

"イソゲ"


「…理解した」


大和祐大という人物はどこか抜けていて、自分に自信が無いことが多かった

今までは私がいたから何とかなっていた部分もあったのだろうが、今は1人だ
私という唯一の逃げ場もなく戦う

それが当たり前なのだが彼は多分甘えていた
いや、私が甘やかしすぎた



「責任もって私がしますか」


そう言い綿毛たちに緑のブラシを預け、風に包まれ移動する

暗闇の中でどプリと浮かんだのに、Aは気づくことは無かった

カーテン越しの面談→←弟と魔女とそれから俺



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設定タグ:テニスの王子様 , トリップ , 年齢操作   
作品ジャンル:ファンタジー
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時

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