4話 ページ20
No side
「じゃあ、早速行きますか」
「行くって何処に…」
「え?ここ」
そうAが指さした所は真下だった
「…お前さん何言っとん」
「日本語」
「馬鹿にしとるんか!」
怒る仁王にケラケラ笑うA
ピンチな状態のはずなのに何処か明るい雰囲気だった
だがそれがいい
思い詰めても何も動けやしない。ただ自分の視野を狭くするだけだから
「馬鹿にはしてないよ。あいつどっから出てきたか覚えてないの?」
Aに言われハッ、と気づいた仁王
「さっきぶん殴った時泣いちゃったのかまた下潜ったみたいでさー」
餓鬼かよーってね?
Aがぶっ飛ばした方向を見るとあのバケモノはいなくなっていた
ただ不思議なのがあんな大きなモノが飛ばされたのに家が1つも壊れていない
「さてさてさーて。今から下に行くわけですが、君は耐えれるかな?」
「どういうことじゃ」
「まあなんとなくわかると思うけど今から行くとこはあんなバケモノがうじゃうじゃいるの
あいつらは人の心を栄養にしているわけなんだけど、今の君を連れて行ったら間違いなく
死ぬよ」
そう冷たく言われた仁王、何故自分が死ぬのか。そして、目の前にいる女がアイツらのことを知っているのか
考えることが多すぎて頭がパンクしそうになるのを何とか堪えAに突っかかった
「っ、なんでそんなこと分かるんじゃ!大体なんでお前さんはあいつらのこと知っとる!」
「いい?自分の心の声を聞かなければ聞かないほど奥底に欲が溜まるの。心を閉じたままの君を連れて行ったら餌同然だよ」
「心の、声…?」
彼の心には鍵がかかっている
Aはそこについた錆を取るかのように、目線を合わせ肩を掴んだ
「心が弱ければ弱いほど、声を聞きなさい
どれだけ嘘をついてもいい、でも自分に嘘をつくことだけはやめなさい
心を開いて。大丈夫、君の世界は大きくなるよ
君は何者であって、何を信じるの?」
「俺、は…」
俺は魔法使いの名前に恥じぬよう、沢山の魔法を覚えた
帽子から溢れるトランプ、手から突然鳥が出たり、少し姉貴に教えてもらって(土下座して)成り代わりまで出来た
この頃は世界一の魔法使いだと自負していた
また、それになってもいいのだろうか
またあの世界に戻っていいのだろうか
戻りたい
またあの世界に行きたい
あぁ、なんだ心の声なんて簡単に聞こえたじゃないか
仁王が目を開けると笑うAがいた
「はじめまして、小さな魔法使いさん」
176人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時