2話 ページ15
「何で私に弟子入りしようと思ったの」
体を起こしてAが問う
「お姉さん魔法使いさんじゃろ、俺も魔法使いになりたいんじゃ」
本気で思っているんだろう。彼の目は真っ直ぐとAを見ていて、強い意志を持っていた
「何故?」
「あんな…」
どうやら彼の家族全員、入れ替わり?をしているそうで、お父さんだと思ったらお姉ちゃんで、お姉ちゃんだと思ったらお兄ちゃん…なんてことがざららしい
そんなちょっとおもしろ家族に一泡吹かせたいらしく、Aに弟子入りを志願したようだ
…いや、凄いなその家族
「それならお姉ちゃんとかに教えてもらえばいいじゃないの?」
「ダメじゃ、あんなゴリラが教えてくれるわけなか」
「あはは…」
おっと、ゴリラときたか
姉弟の上下関係が出来てたのね…なんというか、ある意味大変そう
「なら君が今までお姉ちゃん達に追いつけるように何かしたかい?」
「…トランプを少し」
小さな声でぽつりと呟く
「じゃあ今見せて」
「ここで!?」
「さあほら早く。私の気が変わる前にやったほうがいいんじゃないかー?」
そう言うと少年は急いでランドセルを開け、トランプを取り出した
ケースは汚れていて中のカードも状態がいいとは言えない。だがそれが彼の努力の証だということは目に見えてわかる
マジックも小学生にしては凄く上出来なものだった
ここには机がないため手元での簡易的なものだったかもしれないが、それでも…
「沢山練習したんだね」
「おん!これな、練習用で兄ちゃんがくれたんじゃ。本番用は家にあってな…」
そこからはお兄さんの自慢話が始まった
兄ちゃんは凄いんじゃかっこいい!とかそんな感じで
こう見ると一泡吹かせたいと言うよりかは、早くお兄さんに追いつけるようになりたいという気持ちなんだろう
「…よし、合格!君を弟子第1号に任命しようではないか」
「っほんとか!お姉さん!!」
「ランドセルくんが口だけのおちびちゃんじゃないってことが分かったからね」
もちろん努力の塊だってことも
少年の頬についていた砂をはらう
されるがままだった彼はスっと立ち上がって目を合わせた
「よろしくお願いします!師匠!!」
「…まってそんな名前で呼ばないで」
「な、なんでじゃ」
「だって…師匠なんて可愛くない!!」
二人の間に風が通る
少年はぽかんと口を開けていた
「基準そこなんか!!!」
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時