一時帰還 ページ1
「っ!!」
目が覚めると視界は真っ暗だった
あぁ自分は戻ってきたのか
私たち監視者は各世界へ行く際、肉体そのもので行く訳ではなく、精巧に作られた人形に自分の精神を入れて飛ぶ。わかりやすく言うなら某死神世界の義魂のようなものだ
その人形は世界によって性能が変わる
例えば肉体戦ばかりの世界だったらそれに耐えうる体を、魔法が当たり前の世界なら魔力を貯めれる体を、と言ったようにだ
今回は比較的安全な世界とされていたため私の人形も一般人のように普通の体で作られた。そのため、トラックがぶつかった際、人形の損傷が激しく精神が出てしまい元の世界、元の体に戻ってきたのだろう
というかあのトラックの運転手は誰だったんだ?手塚国光に恨みでもあったのだろうか…
んー考えても仕方ない。そろそろ起きるか
精神転送装置の蓋を開けカプセルから降りる。すると視界には涙をためたスーツ姿の…うぐっ
首が閉まる…く、苦しい
「Aーーーーっ!!心配したんだよーー!!人形だって分かっててもパパヒヤヒヤしたんだぞーーー!!!」
「っ…し、社長、苦し…」
抱きついてきたのは監視者の中でも一番偉い人…社長だった。また私の義父でもある
「社長って言うのやめなさいって何度言ったら分かるんだ!パパって呼んでくれよーー!」
そう言いながら腕の力を強くする
普段はしっかりとしていて社の顔として相応しい人なのだが私が絡むとふにゃりと顔を緩ませる。玉に瑕、なんて言われてしまうのは当たり前のことだ
って違う!とりあえず報告をしなくちゃ…
「それで?A、学校ではどんなことがあった?」
「…え、いつも見てるから知ってるでしょ?」
パパは監視者がどう行動しているか見えるのだ。監視者が監視者を監視する…んーゲシュタルト崩壊しそう
要するにプライバシーの欠けらも無いことをパパはしている
そうストレートに言うとピシャーンと効果音がつくかのように固まるので言わないようにしているが
「いやそうだが…Aちゃんが何をして、どう感じたのか知りたい」
「…うん、あのね」
そこからは私が中学1年から3年までのことを話した
私は今まで監視者として働いていて学校というものに行ったことが無かった。そこでパパが比較的安全で尚且つ学校生活がおくれる世界へ飛ばしてくれたのだろう
「それでね…っ、あ!」
大事なことを忘れてた
「ただいま、パパ」
「おかえり、A」
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雲雀 - まいさんへ俺は亀更新でも楽しみに待っています。なのでゆっくりでもいいので更新楽しみに待っています。 (2021年9月30日 19時) (レス) @page29 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 雲雀さん» コメントありがとうございます!亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年9月27日 12時) (レス) id: ed3b470f19 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。これからの更新頑張ってください!楽しみにして待っています。 (2021年9月25日 15時) (レス) @page32 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まい | 作成日時:2021年5月3日 14時