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「で、でも本当に月島くんなのかな……?」
(もしも、偽物だったらどうしよう!?)
いつも片手で持っているスマホを、両手で持って慎重に文を打つ。
【月島くん、ですか?】
[じゃなかったら、誰なの]
【偽物……とか。】
私の打ち込みから間が開く。
スマホをぐっと握る。
[バカにも程にしてって前回言ったばかりだよね?]
「え!?」
思いもしない返事に驚く。
("前回"ってことは、この人は月島くんだ!)
確かな確信にから、更に胸が湧く。
しかし、続いて月島くんからメッセージが送られる。
[もし、偽物ならなんで、こんなピンポイントに偽物が来るわけ?
ていうかイタズラするなら、名前のところを普通は隠すでしょ]
(……完全論破された)
よく考えれば月島が言うように、メッセージでオレオレ詐欺みたいなことをするなら、名前を公開するのはバカな犯罪者だ。
【そう、ですね……】
[短絡的単細胞]
【月島くん、そのバカみたいに言わないでよ!】
[嘘じゃないじゃん]
「そうだけど……あ!聞きたいこと聞かないと!」
肩を下ろしたけど、すぐさま立ち直るように顔を上げ、打った。
【えっと、私がバカなのは分かった!
聞きたいこと聞いてもいいかな?】
[立ち直りが早い過ぎ。で、何]
【明日、お弁当作ってきてもいいかな?!】
「落とすなら、まず"胃袋から"って言うし!」
正直、料理は得意じゃないが、中学から料理を頑張ってきたから自身はあった。
[君、料理できるの]
【中学から料理を頑張ってるよ!】
[ふーん]
「ふ、"ふーん"!?柄じゃないのは十分承知だけどその返事の意味は何!?」
さっきから月島に振り回される自分を感じながら、返事を打つ。
【だ、ダメならいいよ。
お弁当じゃなくてバレンタインがあるし!】
(本当はお菓子作りよりも、ご飯系が得意なんだけど……しつこいよりは……)
仕方が無く、折れようとした時だった。
[別に、ダメとは思ってない。
親に了解をもらったから作って]
「………え!!ほっ本当!?」
椅子から、立ち上がりその場をウロウロ歩く。
【いいの?】
[作って、って言ってんじゃん。]
【了解!!】
(明日、頑張るぞ!!)
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作者名:ユーナ | 作者ホームページ:yuna187.tobio912-8h1i9q@docomo.ne.jp
作成日時:2016年5月10日 1時