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「9月……9月!?まだ先の話じゃん!」
カレンダーを見ればまだ先の事だった。
(早速、失敗した……てか、落とすこと何もやってない。)
「__まず連絡先が最初じゃないかな?」
「確かにー!」
隣で女子たちが楽しそうに近くで会話をしているのを聞く。
「連絡先、か。……って私知らない!!」
(何やってんだ、誕生日を聞く前にやることあったじゃん!)
私はすぐに教室を出た。
「さっき会ったばっかだし、いるはずだよね?」
「なんでまた来たの、もう用事は終わったんでしょ。」
ズイッと月島はかかんで、私に影を落とす。
「ま、まだあるんです!」
「はぁ、今度は何?」
「ここじゃ……あれだからこっちに来て!」
人が通るドアの堺で話すのは前回の学びで避けることにした。
(あと、他の人に聞かれたら大変なことになるし。)
「それで、何の用?」
「えっと、連絡先教えてもらえないかと思いまして……」
「連絡先を教えたら、何する気なの」
「それはもちろん、聞きたいこととか!」
答えはたった1つ、脳内はそれしかなかった。
("何"って言われても、それしかない、からなぁ……)
「その"聞きたいこと"ってここじゃダメなの」
「ダメというか……いちいち月島くんに声をかけるのは、月島くんの負担かと!」
「君なりに考えたんだね。」
相変わらずの上からの言葉に私は頷いた。
「悪用しないこと信じるよ」
「し、しません!そんなことしたら月島くんに嫌われてしまうので!!」
「よく、お分かりで。」
ニコッと笑う月島。
しかし、その笑みは"やったら、やり返すからな"という思念を感じる。
「これ、私の番号!部活終わりでも、いつでも待ってるから!」
予め、番号を紙に書いてあるものを渡す。
月島はそれを受け取りながら私を見る。
「君は本当に待ってそうで怖い」
「そう?っでも、そうしないと落としようがないし!」
最高の笑顔で私はそう言って、この場を離れた。
____
私は家に帰るなり、一室の部屋に入りピアノの椅子に腰掛ける。
「あんなに素直に連絡先をゲット出来るなんて……
もしかして、月島くんは入れない気なんじゃ……」
スマホ片手に勝手な妄想を入れていた、その瞬間スマホが震える。
「わっ!月島くん……だ!すごい入れてくれたんだ!」
先ほど疑心暗鬼になっていた自分を忘れ、気づけば椅子から立ち上がっていた。
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作者名:ユーナ | 作者ホームページ:yuna187.tobio912-8h1i9q@docomo.ne.jp
作成日時:2016年5月10日 1時