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「おお……これは道に迷う｡」
というより､目が回って休憩したい気分に近かった｡
でも､ただえさえ広のに2階まであるこの場所で私の作品ひとつを探すのには休んでいる暇がない｡
「……休めば」
「ううん｡大丈夫行こう」
「君って頑固だよね｡」
「頑固って……強がりって言ってくれませんか?」
「イヤだ｡……ほら」
月島はポイッと何かを投げ､私は反射的にそれを掴むとお茶の入ったペットボトルだった｡
しっかりと冷たいので､買ったばかりみたいだ｡
「これ､いつ買ったの?!………手品ですか?」
「君がよそ見してる時｡なんでそこで手品になるの
てか､君に倒れられたら困るだけだから｡
心配してる訳じゃないから」
「え､うわっ!」
半ば強引に近くの椅子に座らせられて､私はぽかんとするしかなかった｡
月島もその隣に腰を落とした｡
(もしかして､私の事思って……?)
「……ありがとう｡お茶貰うよ｡」
「ん｡」
遠回しに言う彼の優しさが心を暖かくしてくれる｡
そのぶっきらぼうな言葉と仕草が愛しいくて堪らない｡
そして少し休んでから､また歩き出してやっとの事で辿り着いた｡
「やっとだ……」
「おつかれ」
「なんかっ平気そうですネ……｡」
それもそのはず､私と違って運動部でこれくらいじゃくたびれないだろう｡
「あれ?ない」
「ない｡じゃなくてこっち」
月島が手招きをする方へ向かうと個室のような場所に行き着く｡
「こんな風になってたんだ」
「知らなかったの」
「うん｡私達は作品を作るだけで装飾は顧問がやったから……」
歩いて行くと､白から始まった部屋はだんだん色付いていく｡
仲間が好きな色を使って描いた絵はグラデーションに染め上げていた｡
しかし､足を動かして前へ進んでも私の作品はなかなか見つからなかった｡
(確か､暖色系を使ったはず……のにない｡
このままだと寒色エリアなんだけど……)
仕方なく､部屋の分かれ目に足を踏み入れると水色の世界に変わる｡
そこに目立つ様に置かれていたのは｡
「えっなんで!?これ出した覚えないのに!」
暖色から急に寒色に変えたあの時の絵が置かれていた｡
本来と違う用途に作ったもので線画と色が食い違っていたので出すのを拒んだものだった｡
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作者名：ユーナ | 作者ホームページ：yuna187.tobio912-8h1i9q@docomo.ne.jp
作成日時：2016年5月10日 1時
