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「誕生日の前に､落とすことはどうなったの」
「いや､誕生日まで落ちなかったらと思いまして｡」
「そんなに時間かかるなら､君は諦める選択肢はないの」
月島にド正論を言われてドキッとする｡
けど負けずと私は返した｡
「諦めるなんてことしないよ｡だって､月島くんが好きだから｡……でも､月島くんに嫌われてるだったら諦めるよ私もそんな馬鹿じゃないからね!」
自慢気にそう伝えると月島がきょとんとする｡
(あれ､私何か変なこと言った!?)
「月島くん､?」
「……嫌われてもいいんだ?」
「っ……それは嫌だけど」
小さく言葉にして月島を見るけど彼はこちらを向かず前だけを見ていた｡
私は続けて言った｡
「でも､本当に嫌われてるならそうするよ｡
今からでも｡」
(諦めるなんてしたくないけど､今日､あんだけ突き放して嫌われたくないは我儘だ｡)
自分でやったことは後になって返ってくることなんて計り知れていた｡
苦しく思いながら月島の背中を見つめた｡
「君はそんな簡単に諦めるなんだ?
僕に嫌われてるって思うなら諦めることは単純､そういうことでしょ」
背中だけだったはずの月島はしっかりと私を見ていた｡
強く言われ､彼にじっと見つめられてまるで口が塞がれているようだった｡
そんな空気の中､私は口を開けて言葉にした｡
「っ､本当は諦めるなんて出来ないよ!
こんなに人を想わせる月島くんを諦めるなんて出来るはずがないよ!
月島くんにとって私も､告ってきた女子もただの女子かもしれない｡
でも､私達みんな月島くん……蛍のことをずっと想ってきたから例え嫌われても､諦められるはずがないんだよ!!
"簡単に"とか"単純"なんて言葉で括っていいものじゃない!」
ただ自分の思いを伝えるに必死で､さっきまでの空気が嘘かのように思えた｡
「私は蛍のことを簡単になんて忘れられないよ｡」
俯いて地面に落とすように言った｡
「……ならそのままでいればいい｡別に……」
「?､別に?」
「なんでもない｡」
そして､月島はクルッと向きを変えて歩き出してしまった｡
(蛍､何を…?ってか､僕に嫌われてるって"思うなら"って………)
「私､嫌われてないってこと?!」
「何言ってるの」
まるで答えを確信したように目をキラキラ輝かして月島を見ると呆れた顔で冷たい言葉をぶつけられる｡
「ふふ｡蛍ありがとう」
頬に熱を集めながら私は月島に言った｡
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作者名：ユーナ | 作者ホームページ：yuna187.tobio912-8h1i9q@docomo.ne.jp
作成日時：2016年5月10日 1時
