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後ろに居る月島へ振り返った。
すると、手を引っ張られ思わず立ち上がるとスカートの裾がふわっと上がる。
窓には眩しすぎる夕日が輝いていて、うまく月島の顔が見えない。
「君は、僕を落とそうとしてるのにどうして、自分のことを教えないの」
「っ……」
私達は向き合って、月島は抱き寄せることはなく、ただ両肩を両手で押えて屈むだけ。
それはまるで、私を幼子として見ている様だった。
(いつもの皮肉なの?……でも、どうしてそんなに私を止めるようなことをするの)
迷惑だと、落ちるわけないと上から目線で言われて、離れていくようなことをしたはずなのに、こうやって必死になっている月島が私には分からなかった。
「知りたいって思ってくれてるの?」
震える声から出たのは、"そのまま追いかけていいのか"と遠回しに聴いた質問だった。
「……少なくとも泣いてたことを」
「泣いてた……えっと、何処から?」
「そんなに泣いてじゃ聞く気なくした。」
月島は肩に乗せていた手を離して、見つめ合っていた目を離した。
私は緊張が解けたように肩の荷を下ろす。
「なにそれ!」
「何処からって聞いてる時点で、僕は呆れた。」
(やっぱり、月島くんは私を幼子としてしか見てないんだ。)
ハァ、っとため息を吐くと、いつの間にか月島は鞄を肩にかけている。
「え、ちょ、帰るの!?」
「門が閉まるから。」
時計を見ると、学校の門が閉まるまであと15分を切っていた。
私は急いで鞄を持って、背中を追った。
「女子が何かしても、君は何も気にする必要にないから」
「知ってたの!?」
(嘘!?バレてた!?)
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作者名:ユーナ | 作者ホームページ:yuna187.tobio912-8h1i9q@docomo.ne.jp
作成日時:2016年5月10日 1時