歪曲の魔眼持ち少女呪術師になる。

8 ページ10

「お前の目は何だ？」

「魔眼って聞いたことあります？」

「いや、ない。」
魔眼それは魔術師が持っていたと言われる。
そして、魔眼は誰でも持っている訳ではない。

「私の目は歪曲の魔眼。物を曲げたりする能力です。でも、私。この力が、この目が好きじゃないんです。だって気持ち悪いじゃないですか」
にこりと微笑む。
物を捻じ曲げるということは人も捻じ曲げることができるということ。

伏黒にとって、その微笑みは無理して笑っているかのように見えた。

「俺は、綺麗だと思う」

「そうですか。あなたもそう言ってくれるんですね」
一人は私の幼なじみ。
悠仁くんだ。

【スッゲェ綺麗！！俺、Aの目好きだ！】
あれは、初めて会った時だった。

「おい、あれはっ！！」
先輩方が化け物に取り込まれようとしていた。

「そこですね」
化物の体の一部が捻じ切られた。

『ぎぃぃぃぁあぁぁ！！！』

バリーーーーーン！！

「悠仁くん！？」
窓ガラスを突き破って、化け物に蹴りを入れ、先輩達を助けた。

「大丈夫ですか？体痛くないですか？」

「大丈夫だよ。サンキューなっていうか、A！！一人でこんなところに来ちゃダメだろ！？女の子なんだから！！」

「ご、ごめんなさい」
後ろに化け物がすぐ近くまで来ていた。
「ちょ、危な・・・「凶がれ」へ？」
ゴキゴキバキッ！！
化け物が捻じ切られた音がする。
そして捻じ切られた物を犬が食べている。

伏黒の式神らしい。
「A・・・これって・・・」

「見せたくなかったんですけどね。」
Aの瞳は赤と緑の螺旋状になり、少し光を帯びている。

「私の目はなんでも捻じ切ることが出来るんです。鉄骨も、動物も、そして、あんな化け物も。悠仁くんにだけは見せたくなかった。こんな力があることで悠仁君が離れていくのが怖かったんです」

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す