Episode,thirty seven ページ42
太宰が扉を三回ノックする。
中からは返事がない。いないのだろうか、Aは少しだけ不安になりながら、太宰の方を見る。
太宰は少しため息をつくと、返事を待たずに中に入っていく。
｢Aちゃん。おいで、入っても大丈夫だから。｣
太宰はAの手を引き、部屋の中へ歩いていく。
中には、髪がボサボサの白衣を着た男の人が棚の薬品の整理をしていた。
男の人は整理に集中しているのか、Aや太宰の声が聞こえていなかった。
｢…森さん。｣
｢治お兄ちゃん、この人は森さんって云うの？｣
｢そうだよ。これからきっとお世話になると思うからね。｣
そんな会話をしていても
｢…森さん、用事があって来ました。｣
｢ん？あ、太宰くんじゃないか。御免ね。薬品の整理で気づかなかったよ…。と、其の隣の女の子は？｣
やっと太宰の声が聞こえたのか、太宰と、Aの方を振り返り、微笑んだ。
その姿はマフィアにいるような人ではない、とても優しそうな医者だった。
｢あ、あの。これからお世話になります…。Aです。よろしくお願いします。｣
｢Aちゃん。とっても可愛らしい名前だね。私の名前は森鴎外。よろしくね。｣
森はAの小さな手を握り、優しく微笑んだ。
Aも森の大きな手を握り、ぎこちなく微笑んだ。
Episode,thirty eight→←Episode,thirty six
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1624人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ravito - 面白かったです！途中から雪じゃなくね？って思ったのは気のせいです（） (8月12日 16時) (
レス) @page2 id: 845ded3a27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 続きみたいなあ。 (2020年8月28日 13時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - めっちゃ面白い内容です!!!早く続きが見たい! (2020年5月18日 21時) (レス) id: 5c56fb891e (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 夢主と中也さんと絡ませて欲しいです。 (2019年5月13日 18時) (レス) id: bc75932481 (このIDを非表示/違反報告)
虎猫(プロフ) - 続きは、ないんですか？ (2019年5月11日 11時) (レス) id: b8ef4d2265 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナタデココ x他2人 | 作成日時：2018年4月25日 22時
