姉と比べないで｡【文スト】【ヒロアカ】 (ページ28)

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Episode，twenty four ページ28

姐さんと別れてから、太宰はAの手を引き、歩いていた。

｢治お兄ちゃん、何処行くの？｣

｢ん？嗚呼、もう1人、Aちゃんに合わせたい人がいるんだよね。別に合わせなくてもいいんだけど…。｣

｢どんな人なの？｣

｢えっとね、一言で表すと”蛞蝓”かな。｣

｢蛞蝓…。小さくてヌルヌルしてる、あの蛞蝓？｣

｢うふふ、そうだよ。小さくて、帽子が好きで、筋肉莫迦なんだよ。困っちゃうよね。あんなのが私の相棒だとか…。｣

Aは太宰の最後に呟いた”相棒”と云う言葉に反応した。

相棒と云うことは、その蛞蝓(ひと)と親しいのだろうか、どんな関係なのかが気になった。

｢げ、噂をすれば…。｣

｢おい！なんだよその厭そうな顔！微妙に腹立つな！！｣

｢…お兄さん、誰？｣

｢お、おい太宰、手前もしかして幼女趣味…｣

｢じゃないから！｣

｢治お兄ちゃん、このお兄さん誰？知り合い？｣

｢え、嗚呼、さっき云った蛞蝓だよ。ね？蛞蝓みたいな顔しているだろう？｣

｢よ、よろしくお願いします。蛞蝓さん。｣

｢おい太宰、子供相手に変なこと吹き込むなよ！｣

｢だって本当の事じゃないか。｣

｢はぁ…。あのな、お嬢さん？俺は蛞蝓さんじゃなくて、中原中也だ。宜しくな。｣

｢中原中也？蛞蝓じゃなくて？｣

｢ぷ、あははははは！Aちゃん最高！も、もうお腹が、痛い！｣

｢太宰手前！笑い事じゃねぇぞ！手前が蛞蝓って吹き込んだせいで俺の名前蛞蝓になったじゃねーか！｣

太宰は笑い転げ、中也は太宰に怒り、Aは訳が分からないとでも云う様な顔をしていた。