姉と比べないで｡【文スト】【ヒロアカ】 (ページ22)

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Episode，nineteen ページ22

ドアを開けた先には、Aの近くに住んでいた近所の3人の叔母さん達だった。

その叔母さんたちがAの家の門の近くを通った時に、”あ、知ってます？ここのお家の噂！”なんて言い出した。

Aは急いで門の近くに駆け寄り、気付かれないように隠れ、耳をすませた。

｢ここのお家にね、二人の娘さんがいるらしいのよ｣

｢あー、知ってるわ、何でも双子らしいのよね。｣

｢へぇ、双子なの。顔って似てるのかしら？｣

｢いいえ、二卵生らしくて似てないって噂があるの。でね、その双子の1人が家から出たことないって噂があるのよね。｣

Aはその事を聞いてギクリとした。
これはもしかしなくても自分ではないだろうかと…。

｢もう1人の子は、黒髪でなんだかんだ可愛らしいのよね。でもね、私見ちゃったのよ。この間この家から真っ白な髪に中の骨が見えそうなくらい白い肌で真っ赤な眼の女の子。｣

｢えぇ、何それ、気持ち悪いじゃない。｣

｢その子、小さかったからきっと双子の片割れのほうね。｣

｢…そのさ、白い子ってアルビノじゃない？｣

｢アルビノ？｣

｢そう、アルビノ。極希に生まれてくるっぽくてさ。一寸嫌よね、もし自分の子供だったら私捨てちゃうかも～！｣

｢あ、わかる！きっと私もそうする！｣

なんて云いながら叔母さん達は真っ直ぐ、長い道を通っていく。

Aの頬からは汗と涙が伝っていく。

もし自分が、あの人たちの子供だったら、捨てられていたかもしれない。

今頃、生きていなかったかもしれない。

そう思うと、八百万家(ここ)に生まれてきて良かったとちょっぴり思った。

眼を瞑り、溜息をついて、眼を開く。

すると今迄の景色がなくなり、気付いたら家の中にいた。

｢あれ、今外にいたのに…。どうしてなかに…。｣

Aは後ろを振り返ると、息が詰まりそうになった。

そこには、Aに恐怖を抱かせた父と母が立っていた。

｢さぁA。こっちに来なさい。｣

｢い、いや、いやだ。いき、たくない…！｣

｢Aちゃん。大丈夫、こっちにおいで？｣

｢いや、いや、いや！行きたくない！そっちには、そっちには行っちゃいけない…！｣

｢A!!!!早くこっちに来なさい！どれだけ父さんと母さんを待たせるんだ！｣

｢あ、貴方達は、家族、家族じゃない…。お父さんでもお母さんでも…ない！｣

Aはそう云うと過呼吸になった。