姉と比べないで｡【文スト】【ヒロアカ】 (ページ11)

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Episode,eight ページ11

本当の地獄は此処からだった。

お父さんに、なにを云っても、無視されるのだ。

「あの、お父さん、お話が・・・。」

「嗚呼、すまない、それは此処に置いてくれ。」

Aは、最初は無視されている、そう思っていたけれど、段々、「お仕事して、忙しいから、私に構ってられないよね。」と、そう思っていた。

けれど、夜。
寝れなくて、母の元で寝ようと思っていた。

そっと、自分の部屋から逃げ出した。足音をたてないように、ゆっくり、ゆっくり、歩いていると、一つの扉から、光が漏れているのに気がついた。

「(あれ、電気が点いてる。誰か居るのかな?)」

静かに、部屋に近づく。

部屋の中には、父と母が、坐っていた。
「(お母さん、見つけた！)」

Aは、扉を開けようとした時、

「最近、何だかAの相手をするのに、疲れたわ。貴方、Aに構ってあげてくださいよ。」と・・・。

Aは、最初、何の事だか分らなかった。
しかし、父と母の会話を聞いて、ようやく分かってきた。

「私だって、仕事で暇じゃないんだ。分かるだろう？それに、私は、Aを好まないんだ。百みたいに、愛着が湧かない。」

君もそうなんだろう？と、父が母に問う。

「そうね。Aは、百と違って、笑顔も泣き顔も、怒った顔も見たことが無い。少し怖いの。あの子がなにを考えているのか分からない・・・。」

そんな・・・。お母さんだけが頼りだったのに。
そんなことを心の中で思っていると、足が何かに躓き、転んでしまった。

其の拍子に、大きな音を立ててしまった。
「(拙い・・・！お母さん達にばれる・・・！)」

急いでその場から離れると、母達が、部屋から出てきた。

「誰・・・？真坂、百？それとも、A？」

「そんなわけないだろう。彼の二人は、寝てるはずだ。トイレに来たとしても、場所が違う。」

「そうね。だといいけど。」

父と母は、部屋に入って行った。

隠れていたAは、壁に寄り掛かり、ずるずると、おちていった。

信用していた母がそんなこと思っていたなんて・・・。

Aはこれから先どうすればいいか分からなくなってしまった。