姉と比べないで｡【文スト】【ヒロアカ】 (ページ19)

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Episode,sixteen ページ19

ガチャ＿＿

Aが入っている戸棚が開かれた。

戸棚の隙間から、光がゆっくりと、差し込んでいる。
扉がスローモーションのように開かれる。

「(嗚呼…。もう駄目だ。私どうなるんだろう。殺されるのかな。其れとも、作之助が云ってた人身売買？みたいに売られちゃうのかな…。)」

いつか織田作がAに、裏社会について教えていた。

＿＿＿＿＿＿＿

「ねえ、作之助。」

「？如何した、A。」

「作之助はポートマフィアで、働いているんでしょ？普段はどんなお仕事をしているの？」

不意に、Aは織田作に、前から聞きたかったことを聞いた。
織田作は、マフィアに働いているけれどどんな仕事をしているかまでは、云ったことが無かった。

「…余り聞いててもいいものではないぞ。」

織田作は云ったことが無いのではなく、云いたくなかったのだ。
Aの純粋な心を汚してしまうと考えていた。けれどAは、「それでも佳いよ！どんなものか知りたいの。」と云ってくる。

「何故其処まで知りたがるんだ？電子機器(パソコン)で調べれば＿＿」

其処まで織田作が云いかけると、Aが織田作の台詞(セリフ)を、遮る。

「わ、私は、調べたりとかするんじゃなくて、作之助から聞きたいの。作之助の事、もっといっぱい知りたいから。」

織田作は其れを聞いて、ふっ…、と笑みを零した後に「嗚呼、分かった。Aの気が済むまで教えよう。」と云った。

其のあとは、織田作の仕事を沢山聞いた。
織田作は主に、爆弾処理、密輸、人身売買を阻止するなどやっているらしい。

＿＿＿＿＿

Aは、織田作から聞いた話を思い出した。

そして、最後にもう一度織田作に逢いたいと、心から思った。

Aが隠れていた戸棚が全開に開けられる。
＿＿＿さようなら、作之助…。

最後に織田作に向けた言葉を思っていると…。

「はぁ～。こんな処に居たのだね。もう、探したのだよ？」

開かれた扉の前に立っていたのは、黒い背広(スーツ)に身を包み、頸や手首に包帯を巻いている男だった。

包帯を巻いた男は「とにかく無事でよかった…。あれ、若しかして怖かったかい？泣かせてしまって悪かったね。怖がらせるつもりはなかったのだよ。」なんてAに声を掛けながら、腕を伸ばし、Aを抱きかかえる。

Aは予想もしなかったことが今現在起きていて、小さな口から絞り出したような声を出す。

「…ふぇ？」