笑わない女に恋をした《青》 (ページ6)

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昨日は散々な目にあった……

あのあと借りたジャージに着替え、

帰り際にプリントも渡すことができた。

もう関わることはない、そう思っていたのに……

先生「アイツが学校に来るまで、お前がプリント届けてくれ」

『……なんで？』

借りたジャージを返そうと思っていたから

あと一回ならまぁ行かないこともないけど、

“アイツが学校に来るまで”って……

早く学校に連れ出さないと。

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放課後＿＿＿＿＿

ーーーピンポーン

翔「はーい…って、あ。また来たの？」

『これ、ジャージ返しに来た。あと、頼まれたプリント」

翔「さんきゅー」

インターホンを鳴らすと

寝起きっぽい顔で出てきた渡辺翔太。

寄りたいところもあったし、

渡すもの渡して、とっとと帰ろうと思っていたが…

ふと、先ほどの先生の言葉がよぎった。

“アイツが学校に来るまで”

この人が学校に来ない限り、

私はプリントを届けに毎日駆り出されるんだ。

『あのさ……学校来れば？』

翔「なんで？」

『なんでって…あんたが来ないと、私毎日ここ通わないといけないの。プリント渡しに』

翔「そういうことか。どうしようかな～……あっ！」

何かを考えていたと思ったら、

急にひらめいたような顔をした。

翔「学校行ってもいいよ！」

『え！まじ？』

案外物分かりのいいやつで助かった。

翔「ただし、条件がある」

『条件……？』

翔「お前が笑ってくれたら、学校行ってあげる」

『………は？』

なんでコイツのために面白くも楽しくもないのに

笑わないといけないわけ？？？

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