笑わない女に恋をした《青》 (ページ14)

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私は小さい頃から元々笑うことは苦手で…

七五三の時や、幼稚園の時の卒園式の写真、

それ以外に家族と出かけた時の写真は全て

真顔、真顔、真顔。

それでも私は女の子なわけで…

小学校の時に初めて好きな男の子ができた。

バレンタインの日に意を決して

チョコレートと共に想いを伝えた。

自分なりに精一杯の笑顔を添えて。

それなのに………

「…え、こわっ！笑った顔こわっ！ごめん、無理無理無理！お前笑わない方がいいよ！？」

それから私のあだ名は“般若”となった。

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翔「ぷっ、あははは！(笑)なんだそれ！それが理由？」

『え、そこ笑う？私結構傷ついてたんだけど。…さいっっっってー』

翔「あ、悪ぃ。…ちょっとそん時の顔やってみ？俺は大丈夫、受け止めてやるから」

『いやだ、無理』

そう言って顔をそらそうとすると、

また両手で私の頬をホールドして

無理矢理向かい合わせにされる。

てか、よく見ると顔整ってるな～～～

そりゃ彼女も取っ替え引っ替え出来るわけだ。

あれ？でも待って。

こんな人が私のこと好きなの？……世も末。

ムニっ

『い、いひゃい』

翔「ひっでー顔(笑)笑わないとずっとこのままだからな」

勝手につねっておいて…ひどい言いようだ。

私は観念し、勇気を振り絞って笑ってみた。

翔「……なるほど」

『なに、』

翔「やっぱ笑わない方がいいな」

『っは！？…だから言ったのに！！ばか！！』

翔「いや、違う！いい意味で、だから。な？」

『いい意味も悪い意味もあるか！！』

翔「ちげーよ、かわいいから笑うなって言ってんの！」

『………は？』

翔「これからは俺以外のやつの前で笑うの禁止な、」

さっきからずっとなに言ってんの？

私の笑顔がかわいいって…

こうして私は違った意味で、

笑わなく…いや、笑えなく？なるのだった。

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