笑わない女に恋をした《青》 (ページ12)

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あれから何日経っただろう……

あの事故の後すぐに救急車を呼び、

病院で処置してもらったが意識は未だ戻らないまま。

少なからず私の責任でもあるから

心配で毎日お見舞いに来ているけど……

毎日同じ表情、同じ景色。

『私のこと笑わせるんじゃなかったの？勝手なことばっか言って……このまま起きなかったら翔太の負けだからね』

けが人を目の前に

ネチネチいつも通り愚痴をこぼしてしまう。

翔「んっ……」

『え、？翔太？』

翔「っ、いってぇ…あれ、俺…」

『傷口痛む？ちょっと待って、先生呼ぶから』

翔「…あ、なべ郎は？」

『翔太が守ってくれたから元気いっぱい遊んでるよ』

翔「よかった…てか、え、今名前…」

『…？？』

事故にあって自分の名前でも忘れたか？

『記憶なくしちゃった？あなたの名前は渡辺翔太で…』

翔「いや、それはわかる(笑)違くて…Aが俺の名前呼んでくれたから、さ」

『え、ごめん、嫌だった？』

翔「んなわけねぇだろ？嬉しいんだよ。…って、こんなこと言わせんなよ、」

『……へ？』

翔「あの日だって…俺のこと名前で呼んでくれなくて拗ねてた。あんな態度とってごめん」

『いや、私も気づかなくて…ごめん』

そんな理由で拗ねてたんだ…

でも、なんでそんなことで……

『……あ！なべ郎、助けてくれてありがとね？』

翔「気にすんな。なべ郎いなくなったら、Aが今まで以上にもっと笑わなくなると思ったからさ」

『っ、そんなことのために自分の命犠牲にしたの？』

翔「俺は、それくらいお前に笑ってほしいの」

『なんで…なんで、そんなに私のこと笑わせたいの？』

すると、不意に両手で私の頬を包み込んだ翔太。

翔「それは、」

“お前の笑顔に惚れたから”

私の耳を疑うような言葉を口にした。

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