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あの日の喧嘩?から、
またアイツは休むようになった。
学校に来ていた間は笑わない私に対して
必死になってずっと話しかけてきて…
“うるさい”
“めんどくさい”
そう思っていたはずなのに、
いざ急にいなくなられると…少し、寂しいもんで。
でも、
きっとまた会いに行くことになるんだろうなぁ……
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先生「これ、またお前に頼んでもいいか?」
『…なんかそんな気はしてました』
案の定、
プリントを渡して来て欲しいと担任の先生に頼まれた。
放課後になって家に向かったが、留守。
学校サボって出かけてんのか?
そんなことを思いながらも時間潰しに、と寄った土手。
『おーい、なべ郎〜来たぞ…って、あれ?』
そこになべ郎の姿はなくて…
空になった段ボールだけが置き去りになっていた。
『あれ?なべ郎?!なべ郎!!』
逃げ出しちゃった…?
誰かが拾ってくれたならいいけど、
もし一人でどこかに行っていて、
車とぶつかったりしていたら…?
考えれば考えるほど、
悪い考えばかり浮かんでしまって……
もっと早く私が引き取ってあげられていれば…
涙を浮かべながら必死に探した。
『なべ郎!!』
呼べど叫べど、なべ郎が出てくる気配はない。
まさか近くの大通りまで行ってしまったのか…?
そんなの危険すぎる…!!
私は急いで大通りまで走った。
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『…っハァハァ。…あ、いた!なべ郎!』
かろうじて、大通りの歩道で座っていた。
抱き抱えようと手を伸ばすと
車道の方へ向かって走り出してしまって…
あろうことか、
なべ郎の方に向かってトラックが走ってくる。
『っ、危ない!!!』
助けようと、自然と体が動いていて…
ーーードンッ!!!
『…っ、』
音がして目を開けるが、
私は歩道に横たわっていて…どこも痛くない。
走り出した時、誰かに腕を掴まれたような……
恐る恐るトラックの方を見る。
『………え、なんで…?っ翔太!!!』
そこには、
なべ郎を守るように抱えて倒れている翔太の姿があった。
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作者名:ルナルナ | 作成日時:2021年1月19日 23時