笑わない女に恋をした《青》 (ページ9)

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翔「ねぇ、お前くすぐり弱い？」

『…くすぐって笑わせる気？それ反則。てか、触ったらセクハラ』

翔「だよな～、んー」

あの日から１週間が経った。

現状、私はまだ笑っていない。

どうやら、本当に私のことを笑わせようと必死らしい。

正直なところ、ちょっと…いや、だいぶうるさい。

ついこの前だって＿＿＿＿

翔「プレゼントやるよ、開けてみ？」

『私別に誕生日でもなんでもないけど…急にプレゼント？』

翔「細けぇことはいいから！な？」

圧に負けて、渋々箱型のプレゼントを開封した。

すると、

箱の中からビヨーーーンと勢いよく出て来た物体。

『……なにこれ、びっくり箱？』

翔「あははは！…って、え。それでも笑わない？」

『おもしろさのカケラもない…』

翔「まじかよ…」

………なんてことがあった。

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『こんなこと、もうやめたら？疲れるでしょ』

翔「いや？意外と楽しいよ？」

『…ならいいけど』

私は笑うつもりなんてないから。

翔「そうだ、今日の放課後もアイツのとこ行く？」

『土手？行くつもりだけど……』

翔「俺も行くわ」

『来たければ勝手にどうぞ』

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そして放課後＿＿＿＿

翔「今日も元気だな、お前は～！よしよし」

お皿にエサを入れている間、子犬と戯れている彼。

翔「…なんて呼ぼうかな～」

『あぁ、そういえば名前なかったもんね。ずっと子犬って呼んでt…「ちげーよ」

翔「お前のこと！ずっと“お前”って呼ぶのもアレだろ」

『え？私？好きに呼べばいいよ。綾瀬とか』

翔「じゃあ、Aでいっか…俺のことは翔太って呼べよ」

『いや、は？勝手に決めないでよ』

私の言葉を無視して子犬と走り回っている。

この日から

“翔太”

と、呼ぶことになってしまった……みたい。

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