〉another story◎俺が恋をした日 ページ17
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それは、まだ俺が中学3年生だった頃___
この時の俺はまだピュアで。
好きな女の子に告白され付き合うことができ、毎日が楽しかった。
なのに……
「え?渡辺と付き合った理由?そりゃ、顔がいいからでしょ!隣歩いてれば自慢になるし!」
彼女が友達に話しているのを聞いてしまった。
それから俺は、
彼女のことが信じられなくなってしまい、
後日別れを切り出すと彼女は泣きついてきた。
俺と別れるのが嫌なわけじゃなくて、
自慢するものがなくなってしまうから別れたくないのだろう。
その日から、
俺は女の子に対して特別な感情を抱かなくなった。
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高校1年生になってからというもの、
自分で言うのもアレだけど…モテた。
付き合ってはめんどくさくなって別れて、の繰り返し。
来るもの拒まず、去る者追わず精神。
そして、高校1年の9月____
秋風が気持ちいい土手を歩いていた。
ーーーワンワンっ
すると、草むらの中から犬の鳴き声が。
気になって見に行くと…
そこには段ボールに入った子犬が1匹。
捨て犬か??
心配になって様子を伺うが、意外にも元気そう。
箱の中を見ると誰かがエサを与えている痕跡があって。
引き取ってあげたい気持ちも山々だが、
俺の家はアパートでペット不可。
せめてもの気持ちで毎日様子を見に来ることにした。
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それから何日か経った頃、
土手へ行くと子犬の元に誰かの気配。
……うちの学校の制服??
俺はその子と子犬のやり取りを息を潜めて見ていた。
「ごめんね、連れて帰ってあげたいけど…お母さんがダメだって…」
「うわぁ!舐めたらくすぐったいよ〜!慰めてくれてるの?優しいね〜」
そう言って彼女は
子犬に対して優しい笑顔を浮かべていて……
その笑顔から俺は目が離せなくて、
しばらくその場から動けなくなっていた。
それに、驚いたんだ。
その優しい笑顔を浮かべていたのは
学校で“笑わない女”で有名な綾瀬Aだったから。
『まじか………笑うとかわいいじゃん』
俺はこの時、君に恋をしたんだ___
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作者名:ルナルナ | 作成日時:2021年1月19日 23時