4《羨ましい》 ページ5
濱家 side
｢可愛いなぁ〜…｣
この前の第7世代とベテラン芸人のコラボ漫才ライブにて見つけた明るく笑う女の子…確かAちゃん、やったかな。
スマホにはこっそりと撮った満面の笑顔で笑うAちゃんの写真。
｢(この笑顔もええけど、友達と一緒だとあんな表情なんかな…)｣
そう考えてまうと隣にいた彼女の友達が羨ましいな、俺もその場所にいたい。
山内｢濱家…？なに見てるん？｣
｢！…別に、スマホいじってただけやで｣
危ない危ない、山内に見られるところやった。山内もAちゃんの顔も名前も多分覚えているかもしれん、だけど教えられへん。
あーあ、早く次のライブ決まらへんかな…早くAちゃんに会いたいわ〜
石橋｢もしもし？Aちゃん？｣
は？今、何て言ったアイツ。
石橋｢今度のライブでやったネタはAちゃんに見てほしいな、後藤も都筑も言ってたよ。｣
何でAちゃんに電話してんねん。
石橋｢…うん、うん、友達と来るんだね、いいよ、楽しみに待ってる、じゃあね、もうすぐ収録だから｣
｢…待て、石橋。｣
電話を終えた石井を不意に呼び止めてしまった。落ち着けオレ、怪しまれたらマズい。
｢…随分仲良さげに話とったな？なんや、彼女でも出来たん？｣
石橋｢……いえ、"まだ"友達です。｣
あ、コイツ、分かっとる。
石橋｢でも濱家さんでも譲る気はありませんから、では｣
楽屋に戻っていく石橋、まだ、まだか……なら、俺にもチャンスはあるよな？
彼女の隣に立てるチャンスが。
(あの子の隣だなんて)
(羨ましすぎる)
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作者名：こひむぎ | 作成日時：2021年5月1日 6時
