6話 ページ7
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「…ひとつ聞くが、お前は自分がわかっているんだから他人にも理解できる。そう思っているのかい？」
乱歩「うん。」
「なるほど。それは大きな間違いだな。」
乱歩「え？」
きっと、今の乱歩に「お前は周りの大人以上の頭脳を持つ」などと言っても聞きやしないだろう。
だが、それを除いたとしても、これだけは教えなければならない。
「いいかい、餓鬼。人が皆、同じ考えを持つとは限らない。十人十色という言葉を知ってるだろう？人は各々が違う考え方をするようにできている。そして、それは理解できないものも多いだろう。」
乱歩「つまり…羅刹は本の内容が分からなかったんじゃなくて、違う考え方をしただけってこと？」
「そうだ。誰もが己と同様だと思うな。そう思ってしまえば、他人の個性を消すことになりかねない。わかったね？」
乱歩「…うん、わかった。でも、みんなの考え方を理解するには、どうしたらいいの？」
俺は乱歩の頭に手を置き、軽く叩くようにして撫でた。
「簡単なことだ。その人の話を聞くんだ。それが正しいことでなければ、反論したらいい。そうしたら、相手もお前を理解するだろう。」
乱歩「そっか…。わかったよ。」
笑顔でそう言った乱歩の頭をもう一度撫で、菊李に風呂の用意をするように指示をする。
菊李は浴室へ行き、海螺は寝巻を取ってくると言って部屋へ駆けて行った。
乱歩「お風呂入るの？」
「そうだ。1人で入れるか？」
乱歩「無理。シャワーは届かないし、風呂桶だとしても僕じゃ持てない。」
「そうか。なら俺と入るか。」
乱歩「うん！」
先に胡羽に乱歩を浴室に案内させ、俺は自分の寝巻を取りに行く。
バスタオルと手ぬぐいも持ち、浴室へと向かう。
そこには、腰にタオルを巻いた乱歩が居た。
乱歩「あ、羅刹！遅いよ！」
「すまない。もう少し待ってくれ。」
タオルと寝巻を置いて服を脱いでいく。
上の服、絝、サラシ…と脱いでいたが、サラシに手をかけたところで乱歩が俺の腕を掴んだ。
「…どうした？」
乱歩「どうしたじゃない！！///羅刹ッ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿女だったの！？///」
「そうだが？」
乱歩は顔を真っ赤にして叫んだ。
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続く
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作者名：七瀬 | 作成日時：2023年3月26日 2時
