謎14 ページ15
「まさか…！スイッ…ン…。」
ユーリが振り返った時には、スインはこめかみから血を吹き出して倒れていた。
「あ…あぁ……あぁあぁ"あ"ああ"あ！！！！！」
ユーリはその場に崩れ落ち、大声を上げた。
スインを撃った父を殺されたという男は既に立ち去っていた。
「スイン…目を、開けてくれ…！スイン…スイン…！！兄貴も…お兄ちゃんもッ…いなくなった…俺はもう…うっ…ぁ…あぁあ"ああ"ああ"ぁ"ああ"ああ！！」
嫌だ嫌だとユーリは日が暮れるまで泣き続けた。
たくさん泣いて瞼を腫らしたユーリはスインとブライダルを埋めてスラムに戻った。
…そこには、スインを撃ち殺した男がたっていた。
「…何してんだよ。」
男「…すまなかった。」
「何がだよ。こっちはいちいち殺した相手の子となんざ覚えてないが、あんたの復讐は果たされたんだ。さっさと消えろよ。」
男「違うんだ…！私の父を殺した男は、もう自首していたんだ…！！」
ユーリは虚ろな目でその男を見た。
男「許してくれなんて言わない。だから、せめて君の好きにしてくれないか！」
「…そうか。なら、花屋に行くぞ。」
男「へ？」
ユーリの言葉に間抜けな声が出た男だが、言われるがままに花屋へ行った。
そこでユーリはオダマキを買って男に渡した。
「これをやる。それで終わりだ。」
男「え？これだけ？」
「そうだ。…じゃあな。」
ユーリは2人の墓へ行ってブライダルの墓にブライダルベール、スインの墓にスイセンを供えた。
その帰りにユーリは無理矢理犯、されてしまった。
その数ヵ月後にレヴィア家に引き取られたのだった。
ブライダルベール...幸せを願い続ける(ユーリの幸せを願い続ける)
スイセン...もう一度愛して欲しい、私のもとへ帰って(ユーリがスインにもう一度愛して欲しい、帰ってきて欲しいと願っている)
オダマキ...愚か(ユーリが男に復讐に囚われて選択を間違え愚かだと思っている)
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作者名：七瀬 | 作成日時：2021年7月23日 2時
