謎13 ページ14
昼間はゴミ箱を漁ったりスリをしたり過ごしているユーリだが、夜は街に出て貴族たちからの依頼を専門とする殺し屋をやっていた。
「…あそこ、だな。」
ターゲットの屋敷へ忍び込んだ。
ユーリは元から存在感が薄く、さらに気配を消すのもうまい。
だから、横を通ったとしても全く気づかれないのだ。
特に、怠惰な貴族様は。
「(ターゲットは紅茶を飲んでいる。なら、これだな。)」
ターゲットはその屋敷の主に招待されていたのだ。
ターゲットが屋敷の主に紅茶を飲むよう勧められ、ターゲットがティーカップを持ち上げた。
チャンスだと思い、ユーリはミツバチにある花の蜜を採らせて作った蜂蜜の濃度を最高にしたものを1滴入れ、その部屋の外の開いていた窓から外に出て様子を見ていた。
すると、胸を抑えて苦しみだし、そのまま亡くなってしまった。
「にゃはは！…俺が作ったカルミア・ラティフォリアの蜂蜜は普通のやつの1滴分の毒の100倍はあるんだぜ。にしても、マジで誰も気づかねえなんて…馬鹿な豚どもだな。」
ユーリのことは誰も気づかなかったので、その事件は紅茶を入れた執事が犯人だということで終わった。
ユーリの依頼主はいつだって貴族。
だから報酬はたんまりだ。
その金でパンや毛布、水を買ってスラムの子達に配った。
ブ「やったなユーリ！俺も早くユーリみたいに稼がないとダメだな。」
「兄貴だってできるぜ！兄貴の目はすっげー遠くまで見えるんだろ？なら楽勝だ！」
ブ「ユーリ…そうだな。俺、頑張るよ！」
「おう！」
スインのことも守る、ユーリはそう強く誓った。
だが、貧しくも笑って過ごせる日々はそう長く続かなかった。
「え…？あ……に、き…なのか……？」
ある日の朝、ブライダルがバラバラになっていた。
「嘘だ…兄貴！！…スインは…スインはどこだ！？」
ユーリはスインをあちこち探したが見つからなかった。
「くそっどこにいるんだ！？」
ス「…、…！！」
すると、どこからかスインの声が聞こえてきた。
「スイン！！」
その声をたどって行くと、男数人に囲まれたスインがいた。
スインのこめかみには銃が突きつけられていた。
「ッ、お前らスインを離せ！！」
男「うるせえ！！俺の親父を殺しやがって…ドブネズミのくせに！！」
「離さねえってんだな？なら死にやがれ！」
ユーリは次々と男たちを殺した。
しかし、
ﾊﾟｧﾝ!
ひとつの銃声がその場に響いた。
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作者名：七瀬 | 作成日時：2021年7月23日 2時
