crazy for you 2《∞緑》 (ページ6)

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しばらくの沈黙が続いた後、「俺さぁ」と大倉が口を開いた

大倉「ずっと、1人やってん。」

「……………大倉？」

大倉「母親は俺生んだ後出てったらしくて、親父もグループの事で忙しく海外飛び回ってて、福田が俺の身の回りの世話してくれてたんやけど、ずっと1人やった感覚でさ」

伏し目がちに話す大倉は、とても弱って見えた

大倉「eightの皆とも、昔は何の気なく話せたのに、今はピリピリしてるっていうか……きっと皆も、悩んでんやろな自分の会社の事」

大金持ちの子どもは、大財閥の御曹司は何にも悩みなんてないと思っていた

好きなものを手に入れて、何不自由なく暮らしていると思ってた私は、大倉がそんなに辛い思いをしているなんて、微塵も思っていなかった

大倉「息抜きがしたいねん。柏木と居ると、そういうの全部忘れられんねん」

「…………………………」

大倉「あかんかな」

「……分かった」

……そんな話を聞かされて、断れないよ

大倉「よし、出るか」

そう言って席を立つ大倉

私も残りのカフェラテを流し込むと、レジに向かった

「……えーっと」

大倉「あ、俺払う」

「え、いや、いいよ！」

大倉「ええから、払わして」

前まで、にこりともしなかった大倉

家の事、話したから気が楽になったのかな

冷たい人だと思ったけど、本当はあんな楽しそうな顔して笑うんだ