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車に涼介を乗せて家に着くと相変わらず機嫌が悪い様子で「 だっこして 」と泣き出す。
いつもは甘やかさないけれど今日は朝から調子悪いみたいだし、と抱っこしておうちに入るけれどなかなか泣き止まない。
手を一緒に洗ってソファーに座るとポツポツと話し始めてくれた涼介。
涼介「 きょうね、、たくさんひときてね、こわかった、、」
小さな手をぎゅっと握って声を押し殺すように泣いている涼介を見てなんでこの子がここまで苦しまなきゃいけないのだろうと思う。
そっと抱き寄せて「 りょうちゃんのことなんか話してたかな?」と聞くと首を小さく横に振る。
光「 じゃありょうちゃん怖がることないよ。
りょうちゃんがみんなと違うのはりょうちゃんの個性なんだから。」
まだ多分7歳の息子には理解しづらいことでそれが故にとっても傷ついてしまうのはよくわかるし理解しているつもり。
だけど、周りの目を気にしてみんなよりも不利に動いてほしくないのはきっと涼介の周りの大人みんなが思っていることだから。少しでもわかってほしかった。
光「 涼介は特別なんだよ。違うことは素敵なこと。
涼介には少し難しいかもしれないけど、きっと大きくなったらわかるはず。みんなと違うっていいことなんだ。」
決してみんなと違うことは悪いことじゃないんだ、そう伝えてあげることしかできないことが世界でいちばん憎いことかもしれないな、なんて。
涼介「 りょうが、、りょうが、、、こんなじゃなかったら、ままうれしい?」
泣きじゃくった末にそんなことをいう涼介。
一瞬頭が回らなくなったけれどすぐに
「 そんなことないよ。
このままの涼介がいちばん好きだよ。」
と伝えると涼介は安心したようにまた涙を流した。
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作者名:らぷ | 作成日時:2020年5月24日 10時