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顔を左右に揺らしながら嬉しそうな顔をする涼介をみると作ってよかったなと思うし、これからもおいしいものを作ってあげたいと心の底から思う。
母は涼介のことがだいすきだったけれど長年の介護で疲れ切ってしまって涼介に手を上げるようになった
そんなことに気付いたのは手を上げるようになってから2年ほどが経過したときで、涼介は母が触ろうとするたびに緊張が強くなるのを俺がおかしいと思って話を聞いて発覚した。
父に母のことは任せて慧は涼介のそばにいてやってくれ、と言われて6年ほど前から2人での生活が始まった
最初はもちろん戸惑ったしたくさん涼介に嫌な気持ちにさせたと思うけれど、涼介が今こうして笑ってくれていることが何よりもうれしくて幸せだなって思える
汚れた口元を拭いて、デザートの潰したいちごを口に入れると酸っぱかったのか体を大きく動かしたけれどやっぱり嬉しそうな顔をする涼介
涼介「 ぁーっ、んっ、、んー!んー!!」
「 なあに?ゆっくり話してみて 」
涼介「 っ、、ぁーっ、、っ、、っ!」
口は動いてるんだけど声にならなくて口も思うようには動かないみたいで顔を歪めながら何か伝えようとしている
「 ゆっくり、ゆっくりでいいから。
兄ちゃんお話できるまで待ってるから 」
話そうとすると涎が溢れるから拭きとりながら筋緊張が落ち着くのをひたすら待っていた
しばらくするとようやく話せるようになって
「 っ、、りぃ、、り、っ!ごっ、ご、り、ぉ!」
と何度も何度も繰り返す涼介。
「 なんだ〜?り、ご、、りんご?」
そう!と言いたげな顔で微かに涼介は頷いた
「 りんごか!そうだよね毎日いちごじゃ飽きるよな。
明日買ってくるよ 」
こんなふうに食べたいものとか自分の意思を伝えてくれるようになったのは最近のことで、涼介が伝えてくれるようになったのがここ数年でいちばん嬉しかった出来事って言えるぐらい自分にとっては大きなハードルだった
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らぷ(プロフ) - 佑妃奈さん» わ〜〜!わざわざありがとうございます泣泣 大した作品は作れないですけれどもこれからも読んでいただけるとうれしいです! (2022年10月22日 22時) (レス) id: 65520cd0ae (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 移行おめでとうございます。これからも楽しみに待ってます (2022年10月22日 21時) (レス) id: 16d0b47c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぷ | 作成日時:2022年10月22日 19時