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涼介は麻痺によって表情を変えることも出来なくなって、ぼーっとしている目からは涙が止まらなくて俺はその涙をそっと拭いながら何度も、何度も涼介に謝った
その度に宏太や裕翔、先生は止めるけれど謝るのを止めることはできなくてついに来ないでほしいと言われてしまった
宏太「 大貴の気持ちはわかる、分かるけど今の涼介にとってお前が謝るのはうれしいと思う?聞こえてても、もし分かってても、なにも言えないんだぞ。」
涼介は時と場合によるけれどなんとなく言葉を理解してそうなときがあって、実際どうだか分からないけれど良いことをした後は褒めて?というようにニコニコで猫ちゃんみたいに頭を擦り寄せてくるし、悪いことをした後は決まって申し訳なさそうな顔をしていた
宏太「 大貴のその気持ちが落ち着くまで、ちょっとしばらくは会わないでおこう。大貴にとっても、涼介にとってもそれがいいと思うからさ 」
「 わかった 本当に、ごめんなさい 」
宏太「 もういいよ 大貴のせいじゃないもん 」
正直自分でもこれ以上
涼介と会うと壊れてしまう気もしていた。
そんな俺に優しく笑って頭を撫でるその宏太の優しさが、胸に突き刺さるように痛くてまた気が付かないうちにごめんと呟いていた
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作者名:らぷ | 作成日時:2022年8月13日 1時