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涼介「 慧、おれも慧みたいに大人になれる?」
「 うん、なれるよ。絶対になれる 」
心疾患を持ってる子なら一度はこの質問をしたことがあるはず。
そのぐらい、心臓の病気は恐ろしいもので一緒に入院をして頑張ってた子のベッドが突然空っぽになってたり、海外に手術を受けに行ったお友達がそれ以来戻ってこなかったり、と幼い頃から不安になる要素がたくさんある
涼介は比較的軽い方なんだけど、なかなか治らなくて漠然とした不安が付きまとう。
いつもは元気なのに、風邪をひくと入院を余儀なくされたり運動はできるものとできないものがあったり、涼介も自分でわからないことが多くて最近は少しルールを破ることが増えてきた
俺は猛勉強の末に一級建築士という資格を取得して今は自宅の片隅をオフィスとして働いている
以前は建築会社の社員として働いていたけれど、合わなかったのと体調を崩したこともあって円満退社をして独立した
家からバスで15分もすれば着く俺と涼介のかかりつけの病院で、宏太の職場。
総合病院で大きいけれど心臓内科以外でお世話になることはあまりないのが実際のところ
受付しに行くと、看護師さんたちから2人揃って「 大きくなったね〜!」と声をかけられる
看護師「 すっかり慧ちゃんも大人っぽくなって!涼ちゃんもお兄さんらしくなったね。でも宏太先生とも慧ちゃんとも違って、涼ちゃんはママ似だね 」
うちの両親もここで以前働いていて、恥ずかしいことによく知られている。ちなみに今は海外で生活をしている
うちでお世話になっていないのは大貴ぐらいだけど、涼介が大貴も入院する!と言って聞かなくて一緒に何度も入院してるから家族揃って知られてるのだ
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作者名:らぷ | 作成日時:2022年8月13日 1時