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なかなか自分で歩こうとしない涼介を抱っこして診察室へ向かった。
「 風邪だね。ちょっと鼻水も出てるみたいだからこまめに鼻をかませるようにしてください。りょうくんよく頑張ったね!たくさん泣いちゃうと、ここが痛くなっちゃうからりょうくん泣かないように頑張ろうね。」
先生は優しく涼介の胸の辺りに丸を描いて頭を撫でた。
すっかり泣き止んでいる涼介は先生に少し褒められただけで上機嫌になっていつもはぐずぐずな点滴も頑張ってくれた。
「 りょうくんすっごいな〜!
点滴も泣かないで出来たの初めてだね!」
慧が点滴に気をつけながら抱きしめると
りょおもうね、おにいちゃんだもん!と自信満々な様子。
「 そうだね。おうち帰ったらゆうくんにもちゃんと言わないと!」
涼介の一個下の侑李にどうしてもお兄ちゃんだという姿を見せたいみたいで最近少しずつ今まで出来なかったことを頑張ってくれるようになった。
無事に点滴を終わらせて家に帰ると点滴中ずっと起きっぱなしだったためさすがに疲れたようでソファーでぐっすり寝ている。
「 結構今日がんばったね、涼介。」
「 うん笑 最初あんなに泣くからびっくりしたけどやっぱり先生はわかってるね。」
「 そうだな笑 」
2人で寝ている涼介の隣に座ると
んっと言いながら寝相の悪い涼介が近寄ってきて2人はニヤニヤと笑った。
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作者名:らぷ | 作成日時:2020年1月12日 15時