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処置が終わり仕事帰りの宏太も駆けつけて雄也は涼介のそばにいてもらい、夫婦で先生からの話をきくことに。




伊野尾「 処置は終わりました。脳波が結構乱れてるみたいで今後1週間ほどは重積発作に近い状態が続くかもしれません。結構強い薬を使ったので目覚めるのは明日以降だと思われます。病院としては重積になりやすい2日ほどは入院が良いかと思われますがどうでしょうか。」


宏太「 お願いします。」


伊野尾「 わかりました。自閉症の方は最近どうですか?カルテを見た感じあまり、って印象だったのですが。」


光「 自傷行為が増えてきて癇癪起こすことも多いなって感じですね。季節の変わり目で多分不安定なんですよね。」


伊野尾「 わかりました。
じゃあ手続きを下の受付でお願い致します。」


光「 はい。ありがとうございました。」






光と宏太の高校の同級生である伊野尾先生。

いつもはタメ口で話すけれどしっかり涼介の病状については先生の顔をして話してくれるからいつも信頼している。



涼介を小さい頃から見てるだけあって扱いも上手くて
検査も涼介がパニックにならないようにしてくれるのだ。







手続きは宏太に任せて光は病室へ向かった。



光「 雄也、ありがとうね。」


雄也「 ううん。今日は起きない?」


光「 そうだね。強いお薬入れたんだって。」


雄也「 そっか。りょうちゃん強いなぁ。」




さっきまで青く太い管が口に刺さっていたけれど
今は酸素マスクで少し曇る姿に安心する。



光「 りょうちゃん頑張り屋さんだからね 」


こげ茶でふわふわした髪の毛を触るといつもは嫌がるけれど何も反応がなくて寂しい。




雄也「 りょうちゃんはやく起きてよ。」




光は16歳だからってもう涼介のことを受け入れていると思っていたけれどそうではないんだな、なんて思った。



光「 雄也、大丈夫だよ。
りょうちゃんは強い子だもん。」


雄也「 でもっ、」


光「 今回の発作長かったし怖かったかもしれないけど、りょうちゃんのこと家族が信じてあげなくて誰が信じてあげるの?りょうちゃんなら大丈夫。」


雄也「 そっか。りょうちゃん、大丈夫だよ。
ずっとずっとそばいるから。」





泣きながら涼介の手を握ってそう言った雄也の顔は優しくて宏太と光はふと雄也がまだ小学生だった頃の彼を思い出した。









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作者名:らぷ | 作成日時:2020年1月12日 15時

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