Petite lumiere 13 (ページ28)

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大貴「やまだ！」

家から自転車を走らせていつもは公園で待ち合わせなのに家を出ると目の前にはじけるほどの笑顔を見せる大ちゃん。

涼介「なんでここいるの笑」

なんとなく理由は分かる。

でもいじってしまいたくなり聞くと恥ずかしげもなく山田が心配だから！という。

大貴「だって、昨日吐いたっていうし。」

涼介「えなんで知ってんの？」

大貴「ひかから。」

涼介「あぁ。」

光の従兄弟でもある大ちゃんは涼介の体調も筒抜けで思わず笑った。

大貴「まあ、無理すんなよ。」

笑顔がサッと引いて伏し目がちに言う大ちゃんは本当に俺のことを思ってくれているみたいでありがとうな、と言うとほら早くいくぞ！と言われて２人で自転車を走らせた。

いつもと変わらない、ううん、ずーっと変わらない毎日だ。

朝練を終えて教室に戻るとクラスも同じ大ちゃんは課題にせっせと取り組んでいる。

涼介「それ大ちゃん終わってないの？笑」

もう季節は冬を迎えそうなのに
夏休みの課題をまだやっている。

大貴「だってさ！出さなくてもバレないかと思ったら出さなかったら１にするぞって言われて！」

涼介「当たり前だよ笑」

本気で焦る大ちゃんは本当に面白くて
常に一生懸命に取り組む姿はかっこいいし隣にいて安心する。

かれこれ１０年以上の付き合いだから
隠し事もないし病気のことは全て伝えてある。

死ぬかもしれないリスクと隣り合わせの俺といてもいつも明るくて病気のことも全部忘れさせてくれる存在なんだ。

大貴「やまだ？大丈夫？」

ボーっとしていたらしい俺の顔を覗き込む。

思わずほっぺを軽く叩くと痛ってえな、と言って
良かった、大丈夫か。と呟いた。

涼介「そんなにもろくねえよ。」

大貴「心配なものは心配なんだよ。」

みんなに聞こえないような声でそう呟いて
大ちゃんは改めてこっちを向いた。

大貴「しんどくなったら、すぐ言えよ？」

いつになく真面目な顔はきっと光たちからあまり病状が良くないことを聞いたんだろう。

涼介「ん、わかってる。」

大ちゃんのその真剣な眼差しに俺は答えるようにおどけることなく答えると大ちゃんは満足したように頷いた。

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