Petite lumiere 13 (ページ13)

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宏太が仕事に戻ったあとも涼介はそのまま起きていて
ご飯を食べるように伝えた。

「涼介ご飯食べちゃおう。お薬飲めないし。」

「あんまり食欲ないの。」

「でも、食べないと利尿剤とか飲めないしちょっと頑張ろう？」

「食べれない、、」

「おかゆさっき作ったんだけど夜ご飯にして、ゼリーにする？」

「食べれないの、」

今にも泣きそうな涼介に分かったよ、と言って
とりあえず涼介の好きな苺のゼリーをカップからお皿に移して涼介の目の前に置いておくことにした。

「今じゃなくていいけど、食べれなくてお薬も飲めなくてしんどいのは涼介だからね。怒ってるんじゃないけど涼介がしんどい思いするのはにいたちみんな見たくないんだよ。」

涼介は分かってるよ、と何度もうなずいた。

涼介は昔っからご飯を食べるのが苦手で
それは塩分と水分制限のせいでもあるんだけど
あまり食事を楽しいものと思っていないみたい。

しばらくすると自分でゼリーを取って食べ始めて安心した。

「すごいじゃん、食べれてるじゃん！」

「だって、薬飲まないで発作起こしたくないし、」

「そうだね笑涼介えらいよ。」

「そんな、子供に言うようなこと、言わないでよ。」

ふふっと笑っていたけれど息が少し切れているのがわかる。

「まだまだ子供だよ。ちょっと苦しい？
ここまで頑張ったからもう食べなくて大丈夫だよ。」

「ちょっとね、疲れて、きちゃった。」

「分かった。横になった方が楽かな？」

「うんっ、」

ゼリーの入ったお皿は半分ほどなくなっていて
涼介が頑張ったのがわかる。

お皿をテーブルに置いてソファーに足を乗っけて横にさせるといくらかマシになったみたい。

「最近すぐね、苦しくなっちゃうの。」

「うんうん。」

「また、悪化しちゃったよね。」

「じゃないといいけどそうかなあ、」

「ごめんね、」

どういう意味のごめんねなのか分からなかったけれど、そんなのを聞く勇気も出ずにいると
涼介はふわっと笑って「大丈夫。きっとにぃたちよりも長生きする。」と言った。

「そりゃそうだよ。
にぃたちより５歳以上年下なんだなら。」

普通に返すと満足そうに笑って
胸を２回ほどさすった。

それは不安を抱えているときの涼介の癖だって、
知っているのに何も言えなかった。

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