二極に愛されし者と異世界のハンターコンビ【壱】 (ページ10)

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美玲「日本だけではなく、全世界の戸籍を翼琳と一緒に調べた。間違いない」
悔しそうに言う美玲。
それはそうだろう。
美玲にとって情報収集は得意分野なのに調べても情報が出なかったのは"黒の組織"以外では初めてのことだ。

欧陽翼琳(オウヤン・イーリン)は汪美玲の右腕であり、情報屋"不死鳥"のNo.2である"黒鷹"のことだ。
情報屋"不死鳥"のNo.1とNo.2が調べてもカイトについて情報が出なかったことに杏奈は驚愕するしかなかった。

杏奈「(美玲と翼琳の2人が分からなかったのなら、しょうがないね)……他に分かったことはある？」
美玲「杏奈の自宅周辺にある監視カメラにその男が映ってるかもしれないと思って、調べて見たのだが…」
杏奈「それにも映っていなかったのね」
美玲「そうじゃ」
結局、分かったことはカイトの戸籍がないってことだけだった。
美玲「そう言えば…！」
美玲が何かを思い出したように言う。
美玲「翼琳が監視カメラを何度も見ていた時に"突然そこにやって来たみたいだね"って言っていたぞ」
杏奈「！」
美玲の言葉を聞いた杏奈は1つの仮説が浮かんだ。

杏奈「(もし、"あの男"がこの世界ではなく、他の世界から来たということを考えれば…。あのカードや文字について分からないことに納得は行くし、全世界の戸籍を調べても出ないってことにも………そして、私の家周辺にある監視カメラに"あの男"の姿が映っていないってことにも………。考え過ぎかな？でも、新一や志保ちゃんの2人が幼児化になっているから異世界人がいても可笑しくはないけど……)」

美玲「……奈！……杏奈！」
杏奈「！？…ごめん！考え事に集中してた」
美玲の呼び声に杏奈は思考を停止した。
美玲「よいよい。此方もすぐにわかったらまた電話するぞ。(そっちの方が杏奈と電話ができる！！)」
杏奈「うん、その時はお願いね。もしかしたら、また頼み事をするかもしれないけど……」
美玲「愛しい杏奈ならいつでも大歓迎ぞ！！」
嬉しそうに言う美玲。
杏奈ではなければ、美玲のテンション等を上げることは出来ないだろう。
杏奈「ありがとう。じゃ、またね」
美玲「またな」
杏奈は美玲との電話を切った。

有希子「美玲ちゃん、何って言ってたの？」
杏奈「"女帝"や"黒鷹"の2人が倒れていた男について調べたけど、身元は不明だって」
有希子「え、えぇ～！？美玲ちゃんだけじゃなくって翼琳ちゃんも調べても何も出なかったの！！？」