仲間になってないから裏切りじゃないけど、それは流石に非道いと思う【名前変換】

10話 ページ12

校門にから学校に入ると、コソコソと此方を見て何かを話す奴らが多い。

そんな視線を無視して教室に入ろうとすると、突然手を引っ張られた。

「おい！お前！桜井先輩に何すんのよ！」

リボンの色が赤だから、一年生だろう。
仮にも先輩相手になんて言葉遣いなんだ。

『…………先輩相手よね。敬語を使いなさいよ。』
「うるさい！桜井先輩突き落とした癖に!なんでのこのこと学校に来られてるの!」
『してもいないことに責任は取れない。』

いつの間にかギャラリーが集まりつつある校門前。赤、青、緑のリボンとネクタイがある中で、一つ。
うちのクラスの奴が居ない。

教室で何を企んでいるのか。

「ねぇ!謝ってよ!」
「そうですよ!桜井先輩、何も悪い事していないのに!」
「闇斎、お前転入生でちょっと目立ったからって調子乗ってるんじゃないの?」

いつの間にか他の奴らと先輩も加わり、罵倒が始まった。
残念ながらスマートフォンは起動しているので全部、録画されているのだ。

『やってもいないことに責任は取れません。私、こんな時間の使い方嫌なので。』

私は人を振り切って、教室へ向かった。
靴箱で上靴を履こうとしたら。

足に違和感があったので上靴を傾ければ、マジックペンででかでかと書かれた謝れ、の字。

これも証拠になるはずなので鞄に折りたたんでしまい、上靴を履いて教室へ。

他の教室の前を通る度に突き刺さる視線。
はっきり言うと、うざい。
どんだけ愛されてるんだよ、桜井。

教室のドアが段々と見えてきたが、明らかに黒板消しが挟まっている。

さぁ、どうしようかねぇ………。

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