第四章 ページ5
「やぁ小泉。おはよう」
「ひっ……お早う御座います太宰さん。」
何故かあの日からやたら太宰が話しかけてくるようになった。
その事実にイライラしながら目の前の上司、太宰治を見るA。
Aは正直太宰治は苦手な人の部類に入る。
自 殺マニアであり、何事も見透かすような目が嫌いだ。後仕事さぼんなクソ野郎。一発殴らせろ。
「(むぅ……最近太宰さんが
望月愛里咲はそう思っているが、挨拶位しかしていないのが現状でもある。
そんな望月には気付かずに、Aはフラフラとデスクに向かった。
「Aおはよー」
「嗚呼。おはよう聡司。」
友達と挨拶を交わしコートを脱ぐA。
因みにマフラーははずさない。何故か?性別バレんじゃん。
聡司が、明日は消えるわー、と言う。
明日は新月だ。月を原動力に彼が動いているのかは分からないが、新月の晩には彼の姿は見えない。
その場にいないから、怪談なんて使っても意味が無い。
「小泉。」
不意に、金髪の上司に話しかけられた。
理想を追い求めている几帳面な堅物。太宰さんを仕事に戻そうとしている苦労人。
「どうされましたか国木田さん。」
Aはパソコンを立ち上げる手を止めて書類を持っている上司を見る。
その声色は恐ろしいほどに物腰が柔らかい。しかし同時に裏表があるのだろうと察することが出来るレベルだ。
「(……!国木田さんまで小泉さんに…!あれ?私国木田さんのことが好きなのかな……?でもさっき太宰さんにもこう思っちゃったし……)」
望月愛里咲は他の社員と話しながらそう思う。
「太宰から聞いたか?例の潜入調査のことを。」
「……嗚呼。はい。存じ上げてます。」
これがその詳細だ、と言って書類を置く国木田。Aはざっと目を通す。
どうやら違法系の取引を止めさせて違法物を回収すれば良いようだ。
「これをお前一人で……」「国木田さん!」
甲高い声が聞こえた。真逆アレじゃないだろうな。そう思い、ゾッとして声の方を向く。
しかし人の声くらい把握している。
わらにもすがる思いで祈るが、矢張り彼女だ。
「どうした、愛里咲」
「これ、小泉さんが行くんでひゅか?20才以上の女性……!」
おい聡司。マジで助けて。
Aは泣きたいような気持で浮遊している聡司を目線だけで見上げる。
聡司は顔に手を当て最悪だ……と呟いていた。
望月愛里咲の次の言葉なんて安易に想像できる。
「私も生きたいですっ!」
……ほら……
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綾部伊沙(プロフ) - 鯖印の鯖味噌味の鯖さん» 鯖!? 超絶久し振りだな 見てくれてたんですね! ありがとうございます!今から作りま〜す (2023年4月27日 19時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
綾部伊沙(プロフ) - 灯花さん» コメントありがとうございます! 続いてしまいましたね汗 もう少しお付き合い頂ければ幸いです。 今から続続編作りますね〜 コウカイデキルカハベツダガ (2023年4月27日 19時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
鯖印の鯖味噌味の鯖(プロフ) - わーいうれぴ🫶続続編頑張れ! (2023年4月26日 21時) (レス) @page50 id: 18bb949ae1 (このIDを非表示/違反報告)
灯花(プロフ) - 続続編がんばれ!楽しみにまってます! (2023年4月26日 14時) (レス) @page50 id: 118fbd2628 (このIDを非表示/違反報告)
綾部伊沙(プロフ) - 雪見さん» !!?!?? ありがとうございまずッッッッ 今日普通に塾だったしケーキ食べてないわで一寸寂しかったんですよ泣 あぁぁぁ嬉しいです!!覚えていて下さってありがとうございます! めっちゃやる気出ました更新頑張ります!! (2023年4月22日 22時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾部伊沙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e8e9c819a37/
作成日時:2023年3月2日 18時